Moon Over Water - Updated: September 17, 2018

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花野行くディズニーランドを行くごとく

初鵙(はつもず) / 葉月(はづき)

2018/09/10 Mon

    初鵙の二三度啼いてそれつきり

        (はつもずの にさんどないてそれっきり)


    初鵙の何かを急かしをるやうに

        (はつもずの なにかをせかしおるように)


    葉月かな夜はけものの忍ぶ庵 /むく

        (はづきかな よるはけもののしのぶいお)



 楓(かえで) (2018.8.15 山中湖:山梨県)


* * * 初鵙 * * *

 昨日、今秋初めて鵙の声を聴いた。
 夏でも見かけたり声が聞こえたりすることはあるが、寓居の辺りは森林ばかりで田畑がないせいか、鵙が窓辺に飛んでくることは少ない。
 ともあれ、初鵙と思えば新鮮。
 ふと、もっと標高が高いところから下りてきたのではないか、という気がした。
 
* * * 葉月 * * *

 今日9月10日は旧暦の8月1日。
 いよいよ十五夜に向けてカウントダウンの始まりである。
 新月から満月になるまでのその間の月を「上り月」と言う。

   葉月なる堅縞あらし男富士 /富安風生

 「竪(縦)縞」は冠雪の条痕であろうか。
 富士山の初冠雪は年によってその時期がだいぶ違う。
 早ければ葉月のうちに見られよう。
 概して岳南より岳北のほうが早いようだ。

 今週は「御山洗(おやまあらい)」と呼ばれる秋の長雨で、富士山が鮮明に見える日そのものが少なそうだ。
 もっとも、仕事に追われていて出歩く余裕もないが。



 イカル(斑鳩) (2018.9.10 山中湖:山梨県)


 (2018年9月10日 山中湖にて)



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秋黴雨(あきついり)

2018/09/08 Sat

    秋黴雨また摘まれゐる鳥兜 /むく

        (あきついり またつまれいるとりかぶと)



 トリカブト(鳥兜)の花 (2018.9.1 山中湖:山梨県)


 トリカブト(鳥兜)は根だけではなく全草が毒だという。
 花が咲いていない春の山菜摘みのときなどは、注意する必要がありそうだ。
 …山菜摘みも茸狩りもしたことはないが。

* * * 秋黴雨 * * *

 秋黴雨は秋の長雨のこと。
 俳句をやっている人でもないと、これを「あきついり」と読める人はほとんどいないのではないだろうか。
 (自分で句を作っておいて言うのも変だが。)

 インターネットで検索すると、俳句をやっている人や気象関係の仕事をしている人の中にも、「秋黴雨」を「秋微雨」と表記して「あきついり」と読ませている人がいる。
 しかし、広辞苑にも、手元にある俳句歳時記にも、「季寄せ」にも、「あきついり」の表記は「秋黴雨」しか載っていない。

 「秋微雨」の読み方が「あきこさめ」ならまだ理解出来るが。
 「秋微雨」でも「あきついり」と読むのだという根拠をご存知の方があれば、ぜひご教授願いたい。



 コムクドリ(小椋鳥) (2018.9.6 山中湖:山梨県)


 北海道に居る娘からメールが届いた。

 > 停電と断水はしたものの、怪我はなく無事です。
 > 物流は滞っていますが、野菜の産地なのと、湧き水があるので食料は大丈夫です。

 不自由な暮らしがもうしばらく続くようだが、無事が確認出来てホッとした。

 
 (2018年9月8日 山中湖にて)



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富士の山洗(ふじのやまあらい)

2018/09/07 Fri

    鎮もりを化粧ひて富士の山洗 /むく

        (しずもりをけわいて ふじのやまあらい)



 ゴジュウカラ (2018.9.6 山中湖:山梨県)



 ゴジュウカラ (2018.9.6 山中湖:山梨県)



 コゲラ (2018.9.1 山中湖:山梨県)


* * * 富士の山洗 * * *

 「陰暦の7月26日、富士山麓に降る雨」(「季寄せ」:角川書店編)を御山洗(おやまあらい)と言い、また富士の山洗とも言う。
 初秋の季語。
 今年(2018年)の陰暦7月26日は、太陽暦の9月5日。
 当日限定ではなく、その頃に降る雨をそのように呼ぶ。

 富士山に関する知識には貧しいが、少し説明を補足してみたい。

 ・ 富士山は古くから霊山(霊峰)として人々の深い信仰を集めてきた山である。
 ・ 御山洗は、「神や霊が去来する時には風雨が伴う」という信仰から生まれた言葉。
 ・ 現代では、夏の登山シーズン(山開き)の間に多くの人が訪れて汚れた霊山を洗い清める雨、と考えられるようになった。
 ・ 富士山の開山日、閉山日、開山期間は時代とともに変わり続けているが、古くは御山洗(陰暦7月26日)が閉山(山閉じ)の日であった。

 「地元」に居住していないと使えないローカル季語、とは必ずしも言えない。

    御山洗裾野果てなく晴れにけり /山田梅屋

 旅人目線とも感じられる句だが、見事に大景を謳った。
 間近に居るといっそう実感として鑑賞出来る句、とは言えるかもしれない。
 寓居は「裾野果てなく…」には近すぎるが。
 愛鷹山から見た富士を思い出す。


 (2018年9月7日 山中湖にて)



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台風

2018/09/06 Thu

    台風の安否を地震追ひ打てり /むく

        (たいふうのあんぴを じしんおいうてり)



 台風で折れた大木 (2018.9.6 山中湖:山梨県) ※コンデジで撮影


 震度7を記録した北海道の地震。
 娘に電話したが通じない。
 北海道の大半の地域ではまだ停電が続いているという。
 混乱の中では致し方なし。
 安否を尋ねるメールを送っておいた。

 地震に遭われた北海道の皆様、心よりお見舞い申し上げます。


 (2018年9月6日 山中湖にて)



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安産まつり

2018/09/06 Thu

    産土や富士に安産まつり在り /むく

        (うぶすなや ふじにあんざんまつりあり)



 安産まつりの露店 (2018.9.5 山中湖:山梨県)



 安産まつりの御旅所 (2018.9.5 山中湖:山梨県)



 安産まつりの神輿 (2018.9.5 山中湖:山梨県)



 安産まつりの二台の神輿 (2018.9.5 山中湖:山梨県)



 安産まつりの二台の神輿 (2018.9.5 山中湖:山梨県)


 仕事になんとか一区切りつけて、安産まつりを垣間見に行った昨夜。
 宮入まで見届ける余裕はなく、御旅所の辺りに留まっていた。
 寓居に戻っても、賑やかな音は宮入が無事に済んだはずの真夜過ぎまで聞こえていた。

 「安産」は命の誕生に対する厳粛な祈りの象徴ではあるが、畢竟すれば、あらゆる人のあらゆる祈りを網羅していると言えよう。
 産土(うぶすな)を敬い崇(あがめ)る精神が深く息づいていることに感動を覚えずにいられない、人間が美しい祭だ。

 ※ 肖像権にかかわることがあればお詫び申し上げます。
    ねがわくば、祭に免じてお許しくださいますよう。


  (2018年9月6日 山中湖にて)



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秋の空

2018/09/05 Wed

    大木風に倒れぽつかり秋の空 /むく

        (おおきかぜにたおれ ぽっかりあきのそら)



 秋空 (2018.9.5 山中湖:山梨県)


 今日の歯科の予約は午前9時半。
 前回治療を受けた日に予約した日時。
 その時は今日が安産祭であることを失念していた。

 寓居から診療所へ行く間には御旅所がある。
 診療所は山中諏訪神社の境内とは道を一つ隔てただけの場所に。
 祭で交通が渋滞したら避けようがない…と心配になった。

 もっとも、その辺は地元の歯科医院。
 滅多にぬかる筈はない。
 祭に人が出るのは午後からだから、午前中なら支障がないと踏んでいるのだろう…と思うことにする。

 寓居から外に出る。
 昨夜の雨風で飛ばされてきた木の葉や折れた木の枝がいたるところに散乱している。
 枝ばかりではない。
 あちこちに倒れた木もあって、通行の邪魔になる道沿いの倒木を撤去する作業も、すでに始まっていた。
 こんな時、林が多い村の道は後片付けが大変そうだ。
 
 ましてや今日は祭礼の日。
 神輿が通る道沿いの家々の前では、家人が朝から粛々と道を片付けている。
 神聖な神輿が通る道を浄めようという思いに加え、神輿を担ぐ氏子衆や神輿の後に付いて行列する人たちの足元の安全に配慮してのことでもあるだろう。
 
 神輿が宵宮の一夜を明かした御旅所の前を過ぎた。
 御旅所とは言え、山中諏訪神社の分社であり、手入れの行き届いた庭の奥に建つ立派な館である。
 本祭の今日もまた、夕方から賑やかになることだろう。

 診療所の駐車場から見ると、山中諏訪神社の境内にも、折れた木の枝がだいぶ散乱している。
 倒木も見える。
 人々が、懸命にその片付けをしていた。

 宮入を見に行きたいが仕事の進み方如何にかかっている。
 残念ながら無理かもしれない。


  (2018年9月5日 山中湖にて)



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安産祭(あんざんまつり) / 秋社(あきやしろ)

2018/09/04 Tue

    夜嵐を圧して安産まつりかな

        (よあらしをおして あんざんまつりかな)


    秋社妻へ選みし妊婦服 /むく

        (あきやしろ つまへえらみしにんぷふく)



 釣舟草(つりふねそう) (2018.9.1 山中湖:山梨県)


 釣舟草(つりふねそう)の花の真っ盛り。

 今日から山中諏訪神社の「安産まつり」。
 今日は宵宮だが、あいにくの台風で雨風が強い。
 祭は中止したり簡素化したりはしないのだろうか?
 花火の音は聞こえ続けている。
 伝統の祭、滅多なことでは中止になるまいが。

 しかし、宵宮が始まる午後6時頃に停電になってしまった。
 復旧には時間がかかりそうだ。
 寓居も真っ暗だが、外も闇一色で、ゴーゴーと樹々が不気味に鳴るばかり。

 仕事も中断。
 バッテリーで使えるノートパソコンのほうで記事を更新。

 全国各地で発生した今回の停電は、近年にない大規模なものとなった。
 四大の力には勝てない。
 今後のために停電対策もしておかなくては。

 どちらさまも台風の余波に十分にお備えください。

* * * *

 妊婦服を選んだのは、仕事帰りに日本橋蛎殻町の水天宮へ詣でた戌の日。
 遠いむかし。

    女とは妻とは安産まつりかな /富安風生



 釣舟草(つりふねそう) (2018.9.1 山中湖:山梨県)


 追記:
 停電は3時間余りに及び、午後9時半前に復旧。
 花火がまた一段と盛大に鳴る。
 神輿が一夜を明かす御旅所はすぐ近く。
 宵宮見物を楽しみにしていたが、あいにくのこの嵐。
 今夜は行ってみるのを諦めた。

* * 山中諏訪神社例大祭 安産祭り * *

 古来から、関東屈指の子授け・安産の御利益があると言われる「安産祭り」は、毎年9月の4日~6日にかけて行われます。山中諏訪神社は、別名山中明神とも呼ばれ、豊玉姫を祭神とする安産守護の神様。夜祭のみこしをかついだ氏子の女性には、安産が約束されると言われており、古くから妊産婦や新婚女性が集まるお祭りとして全国的に知られています。(「
山中湖観光情報」より)

 (2018年9月4日 山中湖にて)



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虎杖(いたどり)の花

2018/09/03 Mon

    月しろに花いたどりのつまびらか /むく

        (つきしろに はないたどりのつまびらか)



 イタドリ(虎杖) (2018.9.1 山中湖:山梨県)


 虎杖(いたどり)は仲春の季語、虎杖の花は晩夏の季語ということになっているようだ。
 花が咲き出すのは7月ぐらいからか。
 道端や空き地など、いたるところにはびこる。
 花期は長く、中秋の名月(今年は9月24、25日)頃までは咲いていよう。

 写真の花は少し紅色がかっている。
 紅色がもっと濃く咲く花もある。
 紅色のものはベニイタドリ(紅虎杖)、メイゲツソウ(明月草)とも呼ばれる。

 春の虎杖はスカンポとも呼ばれ、食用にもなるそうだが、私は食べたことがない。
 子供の頃に私がスカンポと呼んでいたのは、スイバ(酢い葉)のほうだった。
 春先、スイバのほうのスカンポをかじるために、紙に包んだ塩をポケットに入れて持ち歩いたものだ。

 イタドリはアジア原産の植物で、繁殖力が強く、コンクリートを突き破ったりもするため、持ち込まれたヨーロッパなどでは大いに迷惑されているらしい。


 (2018年9月3日 山中湖にて)



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爽やか

2018/09/02 Sun

    日々一汁一菜の餐爽やかに /むく

        (ひびいちじゅういっさいのさん さわやかに)



 実山椒 (2018.9.1 山中湖:山梨県)


 山椒は春の季語であり、夏の季語であり、また秋の季語でもある。
 山椒の芽、いわゆる木の芽(きのめ)は春の季語。
 山椒の花も春の季語。
 青山椒は夏の季語。
 そして山椒の実は秋の季語、という次第。

 山椒は普通Japanese pepper(日本の胡椒)と英語に訳される。
 日本が原産の植物である山椒は、歴史的に香辛料を使うことが少ない日本の食文化の中にあって、珍しく古くから使われてきた香辛料である。
 その日本人から見た場合には胡椒は舶来の香辛料。
 舶来の山椒という意味で胡椒の名前が付けられたものと思う。

 山椒の実の色は初めは緑で、秋になるとピンクに色づき、次第に深い紅色になり、やがて褐変して割れ、黒い種子をこぼす。
 この色の変化のし方は胡椒と同じである。
 "Sansho"をJapanese pepperと説明するのは、まことに当を得ている。

 富士山麓には山椒の木が多い。
 そのせいもあろうか、山椒味噌は富士山北麓の名物の一つであるらしい。
 「おほうとう」や「吉田のうどん」には付き物のようだ。
 ワカサギの佃煮などにも山椒が使われる。

 個人的には、山椒責めに遭うのはあまり得意ではない。
 山椒が上手に使われている灘のいかなごのくぎ煮と福岡の鰯のピリカラ煮は美味いと思う。

 一日1,400キロカロリーという食事制限と闘う私の食卓には、くぎ煮もピリカラ煮もない。
 至って粗食の上に、酒もない。
 デザートはあるが、毎日寒天ばかり。
 粗食を続け、体重が100g減ることにストイックな喜びを見出す、という昨今である。

 レンコンの挟み揚げが食べたい!

    貧乏のときに爽やかピース買ふ /高田風人子

 雨漏りの句なども詠まれたことから、ある時、虚子が「風人子君の家はそんなに貧しいのかね?」と周囲に訊ねたというエピソードを持つ句。
 「金欠のとき」ではなく、まして「金のないとき」でもなく、「貧乏のとき」と詠んだところがまことに爽やか。
 青年風人子面目躍如の一句。

 若い時は誰も貧乏。
 そして、溢れんばかりに豊かな可能性に満ちて輝いている。

 老の秋値上がる前にピース買ふ♪


 (2018年9月2日 山中湖にて)



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秋の鏝(あきのこて)

2018/09/02 Sun

    もの疵をみな平かに秋の鏝 /むく

        (ものきずをみなたいらかに あきのこて)



 クサコアカソ(草小赤麻)? (2018.8.31 山中湖:山梨県)


 昨日今日は不安定な天候。
 雨が晴れていた昨夜、遅い時間に虫の声を聞きに外に出た。
 3階の部屋からでは遠すぎて、賑やかに鳴いているのがカンタン(邯鄲)かクツワムシ(轡虫)かよく判別できないと思ったので。

 近くで聞いてみると、正体はやっぱりカンタンだった。
 クツワムシは鳴いていない。

 コオロギの声は僅かで、声がさびしい。
 温度に敏感なコオロギに、山中湖は涼しすぎるのか?

 鏝も機械化された現代。
 スズムシ(鈴虫)を聴きたいものだが、デパートに行かないと無理?



 クサコアカソ(草小赤麻)? (2018.9.1 山中湖:山梨県)


 (2018年9月2日 山中湖にて)



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プロフィール

渡邊むく

Author:渡邊むく
産業技術英語通訳・翻訳者。男性。岩手県生まれ宮城県育ち。人生の大半は首都圏暮し。海外生活約10年。俳句歴:2000年より。主な発信地:神奈川県横須賀市、山梨県山中湖村。

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