旅は秋パンとチーズと地のワイン

駅の秋

2016/11/03 Thu

    後朝の手を振る人や駅の秋 /むく

         (きぬぎぬのてをふるひとや えきのあき)


 山茶花 (2016.10.16 東山:静岡県御殿場市)


 横浜駅で京急線からJRの電車に乗換える朝の通勤。
 昨日は、ちょうど入線していたJRの電車が発車しそうな様子だったので、いつもの車両ではなく、ホームの階段を上って直ぐの車両に。

 一つ目か、二つ目か、停まった駅で開いた電車のドアが、なかなか閉まらない。
 時間調整のようです。
 車内放送があったのかもしれませんが、気が付きませんでした。
 ゲームに夢中だったから…ではなく、考え事をしていたので。

 ふとホームを見ると、ドア近くに立っている私のほうを向いて、若い女性がホームから笑顔を送っています。
 さっぱりした身なりの化粧の目立たない娘さん。
 笑顔は何よりの膏薬。

 いつまでも消えない彼女の笑顔を見ながら、そのうち「あー、なるほど…」と合点。
 「電車のドアが閉まる時、きっと手を振るぞ、きっと振るぞ…」と。
 そしてドアが閉まりかけたところで、やっぱり。

 電車が走り出して姿が見えなくなるまで、同じ笑顔のままだった娘さん。
 もっと弾ける笑顔を見せたり、大きく手を振ったりしたかったのかもしれませんが、人の多い朝の通勤電車に向かってでは、さすがに遠慮が働いたか。
 いい娘さんだな…。
 電車を見送ったあとは、どんな表情になったのでしょう。
 切なさが募ったかしら。

 手を振られた男性はきっと私の後に立っていたはずですが、振り返るような野暮はしませんでした。
 若い人はいいなぁ。
 どうぞお幸せに…いや、すでに幸せだったのかな。

 ゲームにばかり夢中になっていると、こんなマンウォッチングも出来ませぬぞ、おのおの方。



カネやモノでなく、子供たちに豊かな心の大切さを伝えられる私たちに。(渡邊むく)


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テーマ : 詩・和歌(短歌・俳句・川柳)など
ジャンル : 学問・文化・芸術

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Author:渡邊むく
職業:産業技術英語通訳・翻訳者。男性。俳句歴:2000年より。(主な発信地:神奈川県横須賀市、静岡県御殿場市)

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