旅は秋パンとチーズと地のワイン

「惜春」掲載句・掲載記事:2012年12月号~2014年3月号

2014/04/04 Fri

惜 春  掲載句・掲載記事

(2012年12月号~2014年3月号)




2014年3月号

 雑詠(風人子選)

         木の実落つどんな帽子で行かれしや

          (このみおつ どんなぼうしでゆかれしや)


         菊なます花つまみつつ母のこと

          (きくなます はなつまみつつははのこと)


         木枯や血圧今日はやや高め

          (こがらしや けつあつきょうはややたかめ)


 2013年12月横須賀吟行会(風人子選)

         師と逢ふは三ヵ月ぶり冬日和

          (しとあうはさんかげつぶり ふゆびより)


         足早に行く人多し枇杷の花

          (あしばやにゆくひとおおし びわのはな)


         朝風呂を熱めに立てて納め句座

          (あさぶろをあつめにたてて おさめくざ)<


         冬至湯の柚子見つからぬ妻の留守

          (とうじゆのゆずみつからぬ つまのるす)



2014年2月号

 雑詠(風人子選)

         右左よく尾の触れてあれは鵙

          (みぎひだりよくおのふれて あれはもず)


         金もくせい手児奈の井戸と謂ふあたり

          (きんもくせい てこなのいどというあたり)


         膝折りて埴輪の女の子稗搗くや

          (ひざおりて はにわのめのこひえつくや)


 2013年11月横須賀吟行会(風人子選)

         石蕗の花谷戸の小家に日当たりて

          (つわのはな やとのこいえにひあたりて)


         お前さんも相当がんこ石蕗の花

          (おまえさんもそうとうがんこ つわのはな)


  春秋箋



2014年1月号

 雑詠(風人子選)

         涼新た鳩いっせいに旋回す

          (りょうあらた はといっせいにせんかいす)


         行く人の手に花すすき昨日今日

          (ゆくひとのてにはなすすき きのうきょう)

          十五夜近くなった頃の町の通り道。(風人子)


 2013年10月横須賀吟行会(風人子選)

         這ひながら裏返りけり秋の蝉

          (はいながらうらがえりけり あきのせみ)


  春秋箋



2013年12月号

 雑詠(風人子選)

         夏休み犬を引く子の不慣れなる

          (なつやすみ いぬをひくこのふなれなる)

          子にせがまれて飼い始めた子犬か。(風人子)


         磯涼み燈明堂の灯を見たく

          (いそすずみ とうみょうどうのひをみたく)


         金波銀波夏満月の茅ヶ崎は

          (きんぱぎんぱ なつまんげつのちがさきは)


 2013年9月横須賀吟行会(風人子選)

         母の手を引くは初めて秋彼岸

          (ははのてをひくははじめて あきひがん)


  春秋箋

         乾杯の酒は小鼓夏館

          (かんぱいのさけはこつづみ なつやかた)


         向日葵や躁状態の昨日今日

          (ひまわりや そうじょうたいのきのうきょう)


         吐く息に吸ふ息にホ句師の昼寝

          (はくいきにすういきにほく しのひるね)



2013年11月号

 雑詠(風人子選)

         暑くなりさうだ運河に魚跳ねて

          (あつくなりそうだ うんがにうおはねて)


         夏の夜の灯の列富士の在り処

          (なつのよのひのれつ ふじのありどころ)


 2013年7月横須賀吟行会(風人子選)

         古りぬればこその肌艶さるすべり

          (ふりぬればこそのはだつや さるすべり)


  春秋箋



2013年10月号

 雑詠(風人子選)

         山あじさゐ美しき寺孔雀啼く

          (やまあじさいうつくしきてら くじゃくなく)


         ほととぎす里山に雨日もすがら

          (ほととぎす さとやまにあめひもすがら)


 惜春三百号記念俳句会(7月20日 於フジビューホテル:新横浜)(風人子選)

         かき氷告白の口ごもりがち

          (かきごおり こくはくのくちごもりがち)



2013年9月号

 雑詠(風人子選)

         湯浴みするとなりの音や遠蛙

          (ゆあみするとなりのおとや とおがえる)


         豊穣の女神の乳房棕櫚の花

          (ほうじょうのめがみのちぶさ しゅろのはな)


         山石楠花ヘッセを読みて恋もして

          (やましゃくなげ へっせをよみてこいもして)


   春秋箋

         灯台の下に虚子の碑朴の花

          (とうだいのしたにきょしのひ ほうのはな)


 2013年6月横須賀吟行会(風人子選)

         端正な人の住むらし凌霄花

          (たんせいなひとのすむらし のうぜんか)


  旅人の木(114)『クェゼリン環礁』

         孤島暮らし煮出して作るアイスティ

          (ことうぐらし にだしてつくるあいすてぃ)


         突いたエヒと縺れ沖へまた沖へ

          (ついたえいともつれ おきへまたおきへ)


         鳥山の立つ夏潮を全速力

          (とりやまのたつなつしおを ぜんそくりょく)


         また鮫だ頭だけ釣る夏まぐろ

          (またさめだ あたまだけつるなつまぐろ)


         航跡もイルカの群も夕焼ける

          (こうせきもいるかのむれも ゆうやける)


         珊瑚採り鼓膜を捨てた遠い夏

          (さんごとり こまくをすてたとおいなつ)


         夏の月シーラカンス眠れる海へ

          (なつのつき しーらかんすねむれるうみへ)



2013年8月号

 雑詠(風人子選)

         歯を抜いて手持無沙汰に花の宵

          (はをぬいててもちぶさたに はなのよい)

          夕桜に心寄せてみても歯茎が気になって。(風人子)


         春の潮釣船沖へ競ひ合ふ

          (はるのしお つりぶねおきへきそいあう)


 5月横須賀吟行会(風人子選)

         かけ声の一気にそろひ神輿浮く

          (かけごえのいっきにそろい みこしうく)



2013年7月号

 雑詠(風人子選)

         花粉症解雇通知の直後から

          (かふんしょう かいこつうちのちょくごから)


         初桜「まほろば」といふ宿に来て

          (はつざくら 「まほろば」というやどにきて)


 2013年4月横須賀吟行会(風人子選)

         くくくくと鳥か獣か竹の秋

          (くくくくととりかけものか たけのあき)


         春惜しむ一日の縁浅からず

          (はるおしむ ひとひのえにしあさからず)


         吾子無事に帰国の報せ月朧

          (あこぶじにきこくのしらせ つきおぼろ)



2013年6月号(通刊300号)

 雑詠(風人子選)

         春暁イージス艦の粛々と

          (はるあかつき いーじすかんのしゅくしゅくと)

          上句「春暁や」では緊張感が薄い。ハルアカツキと字余りに読みたい。(風人子)


         うす霞アクアラインの端あたり

          (うすがすみ あくあらいんのはしあたり)



2013年5月号

 2013年2月横須賀吟行会(風人子選)

         濃く淡く歌詠む母や梅椿

          (こくあわくうたよむははや うめつばき)



2013年4月号

 雑詠(風人子選)

         日曜は女が元気冬紅葉

          (にちようはおんながげんき ふゆもみじ)


         ハーレーの出て行く背なへ朝日冬

          (はーれーのでてゆくせなへあさひ ふゆ)



2013年3月号

 雑詠(風人子選)

         秋薔薇悲しきことは口にせず

          (あきそうび かなしきことはくちにせず)


         母呼びに来るまで遊ぶ冬うらら

          (ははよびにくるまであそぶ ふゆうらら)


         白い帆の次々冬凪の沖へ

          (しろいほのつぎつぎ ふゆなぎのおきへ)


 2012年12月横須賀吟行会(風人子選)

         空焦がす油井や生誕祭の夜も

          (そらこがすゆせいや せいたんさいのよも)


  春秋箋

         本復の証よ冬のゴルフ虫

          (ほんぷくのかしよ ふゆのごるふむし)



2013年2月号

 雑詠(風人子選)

         傘畳み秋を詠まむと寺庇

          (かさたたみ あきをよまんとてらびさし)


         祖師様や思ひ出のこと秋の寺

          (そしさまやおもいでのこと あきのてら)

  春秋箋

         戦後直ぐの句誌に父の名八月尽

          (せんごすぐのくしにちちのな はちがつじん)



2013年1月号

 2012年10月横須賀吟行会(風人子選)

         ほつほつと秋明菊の蕾青

          (ほつほつとしゅうめいぎくのつぼみ あお)



2012年12月号

 2012年9月横須賀吟行会(風人子選)

         結界の雨脚太し秋の寺

          (けっかいのあまあしふとし あきのてら)



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テーマ : 詩・和歌(短歌・俳句・川柳)など
ジャンル : 学問・文化・芸術

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渡邊むく

Author:渡邊むく
職業:産業技術英語通訳・翻訳者。男性。俳句歴:2000年より。(主な発信地:神奈川県横須賀市、静岡県御殿場市)

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