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湖を描いてゐる花合歓の下 むく

天地創造 (ハリール・ジブラーンの詩)

2015/12/25 Fri


 今夜もむかし訳したレバノン生まれの詩人の詩を。


天地創造
- The Creation -
by Kahlil Gibran
訳・渡邊むく


 神は、自らの命を一つ分けて美しい女を創られ、
 その命に、あらゆる麗しさと優しさの祝福を注がれた。

 神は女に、幸せを注いだ盃を授けて、こう戒められた。
  「過去と未来を忘れ去らぬ限り、先にこの盃から飲んではならぬ。
 幸せは一瞬に他ならぬゆえ。」

 また、神は女に、悲しみを注いだ盃を与えて、こう諭された。
  「先にこの盃から飲むべし。
 さすれば、生きる喜びの中で刻々と失われてゆく瞬間の意味が解るであろう。
 悲しみは、いつ暮れなく充ちているものゆえ。」

 神は、女がこの世に飽きて溜息を吐いたりすることがないように愛を授け、
 お世辞を言われて白けたりしないように、愛らしさを授けられた。

 そして神は、女がいつも正しく生きていけるように天の知恵を授け、
 見えないものを見る眼を女の胸の奥に入れ、
 生きとし生けるものを愛し慈しむ心を女の中に創られた。

 また神は、天国の天使たちが虹の筋を紡いで織った希望の衣を女に着せられた。
 そして、女を生命と光の夜明けの先触れである混沌の闇の中にしまわれた。

 それから神は、怒りの炎を燃やす炉から乏しい残り火を取り、
 無知の荒野から干からびて息も絶えかけた風を取り、
 わがままな流れの岸から角の尖った砂を取り、
 老の山すそからささくれ立った粗土を取ると、
 それらを混ぜ合わせて、男を創られた。

 神は男に、欲望が満たされるまでは鎮まることのない
 熱情を駆り立てる盲目の力を授け、死の亡霊の命を吹きこまれた。

 その可笑しさに、神は涙を流してお笑いになった。
 そして、男をいとおしく、また憐れに思われた神は、
 男を手元に置いて自らの手で導くことにされた。



「違憲安保法廃止」、「原発ゼロの日本」を求める超党派の市民運動を応援します。(渡邊むく)

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テーマ : 詩・和歌(短歌・俳句・川柳)など
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Author:渡邊むく
職業:産業技術英語通訳・翻訳者。男性。俳句歴:2000年より。(主な発信地:神奈川県横須賀市、静岡県御殿場市)

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