蝦夷蝉(えぞぜみ)
2015/07/23 Thu
2015.7.19 水遊び (散歩道:神奈川県横須賀市)
夏休み犬を引く子の不慣れなる
旧詠。
2015.7.19 水辺の遊歩道 (散歩道:神奈川県横須賀市)
2015.7.19 塩からとんぼ (散歩道:神奈川県横須賀市)
標本は蝦夷蝉ばかり五十匹 /むく
北国の学校の夏休みは短い。
猫の手も借りたい田植えの頃に「農繁期休暇」という休校期間があったので、その埋め合わせとして夏休みが短縮された、ということもあったかもしれません。
いずれにしても、北国の夏は短い。
「松ゼミ」と覚えていたその緑がかった蝉は、どうやらエゾゼミだったようです。
Yシャツの入れ物だった空の紙箱を利用した標本は、夏休みが終わる数日前に慌てて作ったもの。
脱脂綿を敷いた手造りの木の箱にさまざまな昆虫をきれいに並べて提出する友だちの標本を見て、手抜きした自分を恥じ入りはしたものの、次の年もやっぱり同じことの繰り返し。
詩人で童話作家の西沢杏子さんの『詩集・虫の曼荼羅』に、「アブラゼミさま」というこんな詩があります。
アブラゼミさま
隠したってだめです
あなたはセミになるまえは
アラブの王さまだったでしょ
ひたいにはめこまれたルビーの冠
それがなによりの証拠です
だから
どうか
足を上にあげたりして
死なないでください
ずいぶん前のことですが、新鮮な感性にとても感動して読んだ詩。
以来、油蝉が鳴いていると、思い出した呪文のように「アラブゼミ、アラブゼミ…」と。
その西沢杏子さんのウエブサイトを見つけたので、ご紹介します。


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