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雪渓の細き一条富士の紺

秀句鑑賞-夏の季語: 夏の雲

2014/01/15 Wed

January 15 2014

高島茂

 韃靼に夏雲立てて蝌蚪泳ぐ

 蝌蚪は春の季語だが初夏の句に仕立てた。作者にとって、韃靼(だったん)は思い入れが深い地のようである。モンゴルか、もっと西方の地か、冬の長い地の草原が思われる。広大な景色と小さなおたまじゃくしの取り合わせはすばらしい。夏雲「立ちて」ではなく「立てて」としたところに俳諧味を感じる。おたまじゃくしが夏雲を立てたりする訳はないので、論理的にはおかしな言い方だが、非論理的であるからこそ可笑し味が湧く。「韃靼」の言葉の響きに「立てて」が呼応して硬派な句になった。考え抜いて敢えてリスクを背負い込むことを辞さない言葉を選択したところに作者の気骨も感じられる。表現者としての面目躍如の一句。作者の句集を読んだことはないが、兵隊として大陸で辛酸を甞めた記憶を昇華して詠んだ句かもしれない。(渡邊むく)

 【高島茂:~平成11年(1999年)。俳誌のサロン「歳時記」より。】



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テーマ : 詩・和歌(短歌・俳句・川柳)など
ジャンル : 学問・文化・芸術

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渡邊むく

Author:渡邊むく
産業技術英語通訳・翻訳者。男性。岩手県生まれ宮城県育ち。人生の大半は首都圏暮し。海外生活約10年。俳句歴:2000年より。主な発信地:神奈川県横須賀市、山梨県山中湖村。

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