灯籠や今も引揚桟橋と むく

三浦富士 (2)春の潮

2015/02/17 Tue


2014.3.25 春の渚 (三浦海岸:神奈川県三浦市)

 ガンコちゃんを津久井浜駅に見送り、「じゃあ、海岸に行って一句ものにしてくるよ」と言い残してから、渚へと。

 風が光る海には、今日も大勢のウィンドサーファーが。
 写真を撮りたくても、カメラがただの重たい箱になっては所在なし。

 辺りを見回すと、護岸の浜に水産加工品を作る小屋があって、その前に若布が干してありました。
 そうか、三浦海岸の若布漁は消えてしまっても、すぐ隣の津久井浜では今でも漁が続いているんだ!
 いや、ひょっとすると、三浦海岸だってまだ続いているのかもしれない…。

 「父が押し子が捲き上げる若布刈(めかり)」の句を授かったのは、俳句を始めてまだ間もない2001年、今から15年前のこと。
 まだ横須賀に越してくる前で、仕事で三浦海岸のホテル「
マホロバマインズ」に小一年逗留した時のことでした。

 去年の春にカメラを買い替えた時に、どうしてもその景色を撮りたくて三浦海岸にやってきたのですが、釣りをしていた人から、この浜の若布漁は絶えてすでに久しいようだという話を聞き、ガッカリして帰ったのです。

 手拭を姐さん被りにしたオネエさんが、若布を干しに小屋から出て来ました。
 ちょうどいい、ちょっとお話を伺ってみよう…。

 「若布漁は朝が早いのよ。
 刺身で食べる生若布を出荷する時は、市場が7時からなので、8時頃には舟が帰ってこないと間に合わない。
 干す若布でも、9時頃には帰ってくるよ。」

 確かに、私が三浦海岸で見たのも、午前9時を少し回った時刻だったと思い出します。

 「…その時、いま思い出しても失礼なほど、漁師さんにバカな質問をしましてね。
 "これは昆布ですか、若布ですか?"
 "え、若布って緑色しているんじゃないんですか?"
 漁師さんがブスッとしたまま一言、"茹でないと緑にならないんだよ"って。」

 あまり姐さん被りのオネエさんの邪魔をしてもと、切り上げて退散。
 若布漁が続いているうちに、必ずもう一度来よう。。。
 オネエさんの話だと、三浦海岸の漁も、今でも続いているようです。
 俄かに嬉しくなりました。

 三浦半島の西海岸でも若布は養殖されていますが、私が撮りたいのは東海岸。
 なかんずく、三浦海岸があるこの北下浦の浜。
 三陸でも鳴門でもなくて。
 思い出って、そういうものだ…と。


     春の潮何かを見つめ鷗立つ /むく


 (つづく)




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テーマ : 詩・和歌(短歌・俳句・川柳)など
ジャンル : 学問・文化・芸術

コメント

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No title

海を背景に乗馬
すてきなシルエット
ロマンがあり好きな画です

今日も 素敵な句ですね
潮の香りが伝わってくるようです☆

トマトの夢3さま

>すてきなシルエット
写真には朝の光が一番いいなぁ、と。
デジタルは逆光に強いですね。

>今日も 素敵な句ですね
ありがとうございます。
箸休めで、また明日頑張ります(笑。
プロフィール

渡邊むく

Author:渡邊むく
職業:産業技術英語通訳・翻訳者。男性。俳句歴:2000年より。(主な発信地:神奈川県横須賀市、静岡県御殿場市)

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