灯籠や今も引揚桟橋と むく

小晦日(こつごもり)

2014/12/30 Tue

2014.12.30 水仙 (散歩道:神奈川県横須賀市)
2014.12.30 冬朝日 (散歩道:神奈川県横須賀市)

 朝起きてすぐ、ガンコちゃんと歩いてパンを買いに。
 山を一つ越した向こう側の浦賀にあるパン屋までは、歩いて30分ほどの道のり。
 (食べる物が何もなかったからではなく、単なる朝の散歩です…念のため。)

 そのパン屋「
はまだぶんてん」(浜田分店) 」は、今から百年も前の大正3年(1914年)に創業されたという古い店で、昼時に前を通ったりすると、"行列の出来るパン屋さん"になっていることもある人気店です。
 かつては浦賀ドックの正門近くにあり、ガンコちゃんも子供の頃からよくお世話になったそうですが、その後現在地に移転。


    パン屋の娘頬に粉つけ街薄暑 /高田風人子

 昭和24年12月号で、虚子選雑詠で初めて「ホトトギス」の巻頭句に採られた風人子先生の句。

 この句を知ったのは「惜春」に入会する前のことですが…
 「作者は浦賀にお住まいの人らしい」
 とガンコちゃんに話すと、
 「あのパン屋かなぁ…。」

 私がこの句を印象深く思ったのは、若い頃に親しんだゲーテの詩のこんな一節を思い出したからでもあります。


      身持ちがいい粉屋の娘にキスをすれば、
      すぐに皆に知られますよ。
      その美しく黒い服を
      粉で白く染めたら
      ご迷惑でしょう。
                ―― 「小姓と水車小屋の娘」(ゲーテ)


 その後、このパン屋は浦賀ドック正門傍にあった頃の浜田分店だと、風人子先生から直接お伺いしました。
 先生は浦賀ドックにお勤めでしたから、浜田分店のパンはよくお買いになったようで、この句はそうした若き日の先生の生活の一コマを詠まれたものです。
 さりげない生活の中に詩を見出すことの巧みさが、風人子先生の若い頃からの特徴であったことを窺い知ることができる一句だと思います。


2014.12.30 梅蕾む (散歩道:神奈川県横須賀市)
2014.12.30 梅蕾む:神奈川県横須賀市)

 散歩の途中、もしやと思って見た紅梅の木に、蕾が膨らみ始め、一輪は花が開いていました。
 梅の種類にもよるでしょうが、暖かい横須賀ならではとも。

2014.12.30 一輪 (散歩道:神奈川県横須賀市)
2014.12.30 一輪:神奈川県横須賀市)

 大晦日(おおみそか)の前日である今日12月30日は小晦日(こつごもり)。

 
    春や来し年や行きけん小晦日 /芭蕉

 「まだ小晦日(旧暦12月29日)だというの立春になった。
 春が来たと言えばいいのか、年の果だと言えばいいのか。
 ともかく、そんなややこしい年もいよいよ終りを待つばかり」
 …という感懐は、太陽暦で暮らすようになった現代人には理解しにくいものになってしまいました。

 芭蕉19歳春の作。
 制作年代が判明しているものの中では、芭蕉最古の作品だそうです。
 言い回された類型句とされ、評価は高くありません。
 しかし、19歳の若者が詠んだとは思えない老成ぶりには「さすが」と唸ってしまいます。

 
2014.12.30 光るトンネル (散歩道:神奈川県横須賀市)
2014.12.30 光るトンネル (散歩道:神奈川県横須賀市)

 午後からはガンコちゃんの母上の年用意の買い物のお手伝い。
 「歩かなくちゃ」と仰る母上。
 お住まいからスーパーまで、歩いて往復。
 帰りはお疲れになったようでした。

 我が家用は、明日も少し買い物に行かなくては。
 と言っても、元旦はゴルフなので、朝の雑煮を食べる暇もなし。
 簡単な年用意です。

 少しは飲めるようになったので、酒を1升買ってきました。
 〆張鶴がなかったので剣菱。
 目の前にあると思うと、ソワソワ。
 もう今日からでも飲み始めたくなってきます。
 なければ忘れていられるのに…。


2014.12.30 水仙 (散歩道:神奈川県横須賀市)
2014.12.30 水仙 (散歩道:神奈川県横須賀市)



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コメント

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No title

お元気そうですね。
ご夫婦揃って良いお年をお迎えくださいね。

aunt carrotさま

ごぶさたしております。
まずまず健康で越年できることを感謝します。
どうぞ佳いお年をお迎えくださいませ。

No title

こんにちは。

料理をしながら、ブログも気になり覗きましたら、むく様のお姿が・・・。
お元気そうですね。

ご夫婦、いつも仲良く羨ましい限りです。
来年もどうぞよろしくお願いします。

No title

こちらこそ、
いつもご訪問いただきありがとうございます。

俳句とお写真いつも楽しみに拝見させていただいています。

来年もよろしくお願いします。
よいお正月を~。

おたまさま

「師走妻」でお忙しい中のご訪問ありがとうございます。
おたまさまには、とても充実した一年だったことかと。
これからの大飛躍を心より念じております。
来年もどうぞよろしく。

nyaosoftさま

お忙しいなかのご訪問ありがとうございます。
勤め仕事を再開してから記事の更新ペースが鈍っていますが、週末とかには出来るだけ更新するようにしたいと思っています。
来年もどうぞよろしくお願いします。
プロフィール

渡邊むく

Author:渡邊むく
職業:産業技術英語通訳・翻訳者。男性。俳句歴:2000年より。(主な発信地:神奈川県横須賀市、静岡県御殿場市)

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