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雪渓の細き一条富士の紺

秀句鑑賞-春の季語: 耕し

2013/11/10 Sun

November 10 2013

高橋洋一

      耕せる母のうしろを出勤す

 季語は「耕す」で春。吟行会後に行ったスナックバーで歌ったヨイトマケの唄を思い出す。「あれから何年たったことだろう…」という回想の唄だが、掲句は回想ではない。身を粉にして働く母と一緒に作者が暮らしているのは「今」。が、それは大同小異の類。母にばかり苦労をかける負い目を感じながらの出勤。「母にすまない」は、日ごろ口にはしなくても、世の男に共通した自制と発奮の合言葉である。「銀巴里」も消えて久しい。バーでヨイトマケの唄を歌う人もいない。作者が折々に詠んできた珠玉の母の句八句は、順に「耕して耕して母振り向かず」、掲句、「十三夜水に漬けある母の鍬」、「夏帽子デイサービスは母の旅」、「火と縁の切れたる母に蛍の火」、「白寿近き母を燠とし冬温し」、「白寿まで百日の母望の月」、「月に嫁す日までの母と一つ家」。(渡邊むく)

 【高橋洋一(たかはし・よういち):昭和17年(1942年)群馬県生まれ。『絹』主宰。『月刊俳句界』2013年11月号より。】



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テーマ : 詩・和歌(短歌・俳句・川柳)など
ジャンル : 学問・文化・芸術

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渡邊むく

Author:渡邊むく
産業技術英語通訳・翻訳者。男性。岩手県生まれ宮城県育ち。人生の大半は首都圏暮し。海外生活約10年。俳句歴:2000年より。主な発信地:神奈川県横須賀市、山梨県山中湖村。

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