灯籠や今も引揚桟橋と むく

紅空木(べにうつぎ)

2014/06/07 Sat

2014/06/05 ベニウツギ (箱根湿生花園:神奈川県横足柄下郡箱根町)
 2014/06/05 ベニウツギ (箱根湿生花園:神奈川県横足柄下郡箱根町)

 青春時代に買い求めて愛読した一書に『カラー歳時記』という文庫版の本がありました。
 インターネットで調べてみると、 『カラー歳時記 花木』(1967)、 『カラー歳時記 草花』(1968)、『カラー歳時記 野草』(1971)の三冊から成り、共に松田修著(保育社刊)であったことが確認できました。
 1968年には持っていた筈なので、三冊とも一緒に買ったのかと思っていましたが、『カラー歳時記 野草』は後から買い足したことになります。
 確かに、そんな記憶も蘇ってきます。
 他に、同じ保育社が出版した『カラー歳時記 鳥』も買い求めましたが、これは黒田長久著であったことも分かりました。

 そのどれも遠のむかしに処分してしまって、今は手元にありません。
 けれども、花や鳥に初めて興味を抱いて買ったこれらの本は宝物であったと、今改めて気付かされます。
 花や鳥といった自然界の妙に興味を抱くようになったきっかけの一つは、みちのくの故郷を離れて東京という大都会で暮らすようになり、時おり帰郷しては自然の美しさや驚異を再発見するようになったからだと思います。

 話し出すと切りがないのですが、一つだけいま書いておきたいことは、その頃に俳句に親しんでいれば…という慨嘆の思いがあるということです。
 といっても、慙愧の念に涙を流すというようなことではありません。
 その代わりに英語を初め他の事をいろいろやって生きて来たわけですから。
 でも、青春時代に俳句と縁することが出来なかったのはやっぱり残念で…。

 この歳時記のことを書いたのは卯の花(=空木)のことも書かれていたと思い出したからです。
 それは枕草子の一節の引用でした。

2014/06/05 ウツギ (箱根湿生花園:神奈川県横足柄下郡箱根町)
 2014/06/05 ウツギ (箱根湿生花園:神奈川県横足柄下郡箱根町)

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 落葉の低木で五~六月のころ白色五弁の花を枝先にあまた群がってつける。清少納言が、枕草子に「卯の花は品劣りて何んとなけれど咲くころのをかしう、時鳥のかくるらんと思うにいとをかし」。と述べているごとく花に気品さはないが、緑の世界に白々と咲いている姿は、初夏のかおりがただよって、すがすがしさを感ずる。万葉人はこの花が霖雨(ながめ)に腐るのを惜しんで「卯の花腐(くた)し」とも言った。

 …ということで、卯の花は「白々と咲いて」いるものだとばかり思ってきましたが、最近になって、ハコネウツギのように咲くと白から赤に色が変わったり、タニウツギのように初めからピンク色をした卯の花もあると知るようになりました。

 ベニウツギは、そのタニウツギの園芸種だということです。

2014/06/04 ハコネウツギ (箱根湿生花園:神奈川県横足柄下郡箱根町)
 2014/06/04 ハコネウツギ (箱根湿生花園:神奈川県横足柄下郡箱根町)

    紅空木隠るる鳥もなく雨に /むく

 黴臭いかな…。



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渡邊むく

Author:渡邊むく
職業:産業技術英語通訳・翻訳者。男性。俳句歴:2000年より。(主な発信地:神奈川県横須賀市、静岡県御殿場市)

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