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航跡もイルカの群も夕焼ける

時雨 / 狐狸(こり) / 柿

2019/11/28 Thu

    目交ひに富士あるはずの時雨の出湯

        (まなかいにふじあるはずの しぐれのゆ)





    われは狐狸つむに木の葉を載する出湯ぞ /むく

        (われはこり つむにこのはをのするゆぞ)





 冬初め (2019.11.16 山中湖村:山梨県南都留郡)


 投句箱

 よく行く村営の日帰り温泉「紅富士の湯」。
 外国人旅行客も多い。
 中国の人たちにも欧米の人たちにも、日本の温泉は好評のようだ。
 時雨れて富士山が見えない日などは、お手軽な日帰り温泉で温まって、のんびり過ごすのも賢明かも。

 「俳句の里」山中湖村には投句箱が何ヶ所かに設けられている。
 正確にどことどこに設置されているか定かではないが、「紅富士の湯」にも置かれている。
 昨日も湯上りに一句詠んで入れてきた。
 入選者には山梨県産のワインがプレゼントされる、と以前に村の教育委員会の方からお聞きした。
 一句と言わず何句でも、山中湖にお出でになられたら投句されてみては。



 ヤマガラ (2019.11.20 山中湖村:山梨県南都留郡)


 疵柿

 「紅富士の湯」には売店がある。
 いわゆるお土産品がいろいろと置かれているが、私が気に入っているのは地の野菜。
 昨日は先週に続いて疵柿ひと袋、それと鳴沢村の里芋ひと袋を買い求めた。

 疵柿とは、実の表面に疵があって出荷出来なかったもの。
 疵のない柿に比べて大幅に値段が安いが、味に変わりはない。
 自分で食べる分には十分だ。
 柿は糖質が多いので、買うのは今回限りとするが。

 このところほぼ毎日一個、疵のある平柿を食べている。
 大方は種なしだが、しっかりと種がある柿も混じっている。

 子供の頃に食べた甘柿は大抵が種ありだった。
 まだ種なしの甘柿が世になかったのかどうかは分からない。
 が、初めて種のない甘柿を口にしたのは上京してからのことだったと記憶している。
 以来五十有余年、甘柿といえば種なしが当たり前のように思って食べてきた。
 
 その間、いつも心に引っ掛かってきたことが一つある。
 それは、種なし甘柿は種ありほど甘くないという感想である。
 同じ一袋に混じった種なしと種ありの両方の平柿を食べ比べてみて、改めてそう感じた。
 本当のところはどうなのか、確証はないが。



        柿を食ふ君の音またこりこりと /山口誓子


 柿を食っているのは、作者の前にいる「君」という人間でも作者自身でもなく、鼠だと解したい。正月三元日の鼠を忌み言葉で「嫁が君」と云う。その「君」であろう。だとすると、柿は生の柿ではなく干し柿か、と想像が膨らむ。かつて、町暮らしの人の許には、正月前に郷里などから干し柿が送り届けられたりした。柔らかなあんぽ柿ではなく、軒端でしっかり干された硬い干し柿だった。「こりこり」は鼠が箱に入った干し柿を荒らしている音。違うかもしれないが鑑賞は人それぞれで、自由であってよかろう。子年の来年が近づいてきた。

 (2019年11月28日 山中湖にて)


 ご訪問ありがとうございました。


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テーマ : 詩・和歌(短歌・俳句・川柳)など
ジャンル : 学問・文化・芸術

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プロフィール

渡邊むく

Author:渡邊むく
男性。岩手県生まれ宮城県育ち。商社勤務、産業技術英語通訳・翻訳者を経て現在はほぼ引退。愛妻ガンコちゃんと二人暮らし。引越し回数二十六回。現在の主な発信地は東京へも富士山へも約70kmの神奈川県秦野市。俳句は2000年から。リンクはどうぞご自由に。

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