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火のあればすなはち囲み冬花火

案山子(かかし) / 捨案山子(すてかかし)

2019/11/11 Mon

    田譲りや案山子の着替へ間に合はず

        (たゆずりや かかしのきがえまにあわず)


    捨案山子まだ働いてをりたげな /むく

        (すてかかし まだ働いておりたげな)



 案山子 (2019.10.23 富士吉田市上吉田:山梨県)


 田譲り

 農道に止めた軽トラックの荷台に、カメラ三脚を紐で括りつけている人がいた。
 型式は新しくないが頑丈そうで立派な三脚。
 写真の相当好きな方に違いない。
 「富士山撮りの三脚ですか?」と訊ねると、「いや、近くで農業をやっているだけです」とご謙遜。

 そのご仁から、案山子が立っている田んぼの持ち主は、手広く営農している他の人に田を譲られたという話を伺った。
 高齢で、田仕事をこなすのが大変になったからだという。
 町住みの息子さんやお孫さんが来て、今年も“お田植”に励んでおられた老夫婦の顔が脳裏に浮かぶ。
 …今年が最後の田仕事だったのか。
 稲刈り前に田んぼを譲るとは…大きな病気をされたのでなければよいが。

 代掻きが済んだ田んぼの中で丁寧にゴミを拾いながら、老夫人が「明日はお田植」と語る言葉を耳にした時は、思わずハッとした。
 昔も今も、田植は稲作農家にとって大切な儀式であることに変わりはないのだ、と気づかされたからだ。

 この場所に写真を撮りに来ては、よくその老夫妻に親切にしていただいた。
 私に対してだけ親切だったのではあるまい。
 ここへ棚田富士の写真を撮りに来る人たち全てに優しかったのだろうと思う。
 まるで、良い撮影スポットを提供し続けるために頑張って稲作を続けてこられたのではないか、とさえ思える。
 全く的外れな見当ではないだろう。

 お二人ともどうぞ末永くお健やかに。

 きっと老婦人の作かと思われる花柄の緋色のワンピースを着たな案山子。
 今年の仕事を終え、ホッとして畦に横たわっているようにも思えたそのドレッシーな案山子の写真は、そっとしまっておくことにします。



 富士初雪 (2019.10.23 富士吉田市上吉田:山梨県)



 農村公園 (2019.10.23 富士吉田市上吉田:山梨県)



 秋うらら (2019.10.23 富士吉田市大明見:山梨県)


 (2019年11月7日 山中湖にて)


 ご訪問ありがとうございました。


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テーマ : 詩・和歌(短歌・俳句・川柳)など
ジャンル : 学問・文化・芸術

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渡邊むく

Author:渡邊むく
男性。岩手県生まれ宮城県育ち。約10年間の海外生活を除き首都圏の各地を転々。商社勤務の後、産業技術英語通訳・翻訳者。現在はほぼ引退し、愛妻ガンコちゃんと二人暮らし。主な発信地は山梨県山中湖村。俳句は2000年から。いつもあと5kg痩せたい♪

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