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雪渓の細き一条富士の紺

花辛夷(はなこぶし) / 春鴛鴦(はるおしどり)

2019/03/27 Wed

    一村のダム湖となりて花辛夷

        (いっそんのだむことなりて はなこぶし)


    梓弓春の鴛鴦こそばゆし /むく

        (あずさゆみ はるのをしどりこそばゆし)



 宮ケ瀬ダム (2019.3.18 相模原市:神奈川県)


 宮ケ瀬湖に足を伸ばしてから山中湖へ。
 たまには違う道をとは前々から思っていたのだが、ガンコちゃんが「宮ケ瀬湖にはオシドリ(鴛鴦)がいるらしい」と言うので。

 神奈川県愛甲郡愛川町、同郡清川村、相模原市緑区の3市町村にまたがる宮ケ瀬湖は、中津川を堰止めて1998年に完成(ダムは2000年に完成)した歴史の新しい堰堤(えんてい)である。
 神奈川県の主力水源の一つで、私が住む横須賀市の上水道も、一部はこの宮ケ瀬湖に依っている。

 オシドリは冬の季語。
 「やかな屋」(俳句を詠む人のこと)の私には、すでに季を逸したオシドリ観察はイマイチ気乗りしないことだった。
 春でも花筏とオシドリならまだしも、と。

 だいたい、わざわざ何でオシドリなの?
 いつも多くは語らないガンコちゃんだけに、「なんかの当てつけかな?」と、私はすぐに不安が募る。

 


 ハクモクレン (2019.3.18 相模原市:神奈川県)



 コブシの花 (2019.3.18 相模原市:神奈川県)


 やれモクレン(木蓮)だ、やれコブシ(辛夷)だと立ち止まってばかりいる私を置いて、どんどん先を行くガンコちゃん。
 やがて湖畔から引き返してきた。

 「オシドリはいたの?」
 「いたけど遠くて、暗かった。」

 遠くて暗かった…という絶望的な言葉にギョッとしながら、出来るだけ平静を装う私。
 「オシドリは写真のモデルさんじゃないからなぁ」と、つい我ながらそっけなく呟いてしまった。



 オシドリ (2019.3.18 相模原市:神奈川県)


 さあ大変。
 よけいにガッカリ顔になってしまったガンコちゃんを、「見られただけでもラッキーだよ」と慰めたり励ましたり。

 私もたくさんシャッターを切ったが、遠いものは遠く、暗いものは暗い。
 ということで、恥ずかしながら証拠写真の一枚。

 あれから一週間。
 ガンコちゃんと私のオシドリを巡る会話はまだ終わっていないが、話をし向けているのは専ら私のほうかもしれない。
 「春のオシドリは桜前線を追って北上するのではないかな」などと与太を飛ばしたりして。

 あまり話題にすると藪蛇になったりもする。
 私の“引っ越し病”はオシドリのように毎年相手を変えられないストレスのせいだとか。
 いいところを突いている…と、思わず膝を打って頷きそうになった。
 あぶない、あぶない。

 オシドリ、ぜひ明るい日射しのもとで間近に立って観察したいものだ。

    うつりすぐ善女善男鴛鴦(おし)の水 /飯田蛇笏

    思羽(おもいばね)いとしや老の書にはさむ /山口青邨


 (2019年3月26日 山中湖にて)



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テーマ : 詩・和歌(短歌・俳句・川柳)など
ジャンル : 学問・文化・芸術

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プロフィール

渡邊むく

Author:渡邊むく
産業技術英語通訳・翻訳者。男性。岩手県生まれ宮城県育ち。人生の大半は首都圏暮し。海外生活約10年。俳句歴:2000年より。主な発信地:神奈川県横須賀市、山梨県山中湖村。

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