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雪渓の細き一条富士の紺

冬霧

2018/12/04 Tue

    日昇りて山湖しばらく冬の霧

        (ひのぼりて さんこしばらくふゆのきり)



 冬霧に浮かぶホテル・マウント富士 (2018.12.1 山中湖:山梨県)


 冬霧とスモッグ

 霧は自然の気象現象だが、スモッグ(煙霧)は、工業化、自動車社会化、冬期の暖房等を発生源とする大気汚染公害の一つである。
 スモッグ、光化学スモッグという言葉を最近はあまり耳にしないが、ひと頃はよく新聞やテレビを賑わせた。

 
スモッグ(smog)はスモーク(smoke)とフォグ(fog)が合成された言葉だが、和製英語ではなく、霧の都として知られるロンドンあたりで生まれた言葉らしい。
 スモッグという言葉をあまり耳にしなくなったのは、大気汚染公害がなくなったからではない。
 むしろ、地球滅亡への速度はますます早まるばかりである。

 一方で環境汚染に対する社会の関心も高まり、大気汚染公害はNOx(窒素酸化物)、SOx(硫黄酸化物)といった指標で汚染源からの有毒物質排出が規制されるようになった。
 しかし、汚染の深刻化に歯止めをかけるための世界的合意を得るのは、依然として「いばらの道」である。

 世界的合意云々は置く。
 日常生活を見回すと、汚染の深刻化に加担している自分に気付かざるを得ない、矛盾した現実がある。

    スモッグ濃し大企業下の吾が職よ /草間時彦

 俳句の極意の一つは言い過ぎないことであると習いもしたし、また実際その通りだと思う。
 つい言い過ぎてしまう私は、いつも反省しきり。
 草間時彦さんの掲句は自嘲の句には違いないが、そのように見せて、実は言い過ぎない俳人の強い矜持を感じさせる一句である。
 光化学スモッグ…と自分が叫んだところでどうにもならない、一人絶望している句ではない。
 悲嘆の色を滲ませることによって、力に限りある個人が、歪んだ文明に対して、せめてもと警告を発信している句なのだと私は鑑賞する。



    イスタンブル冬霧の濃く機は巴里へ /むく

        (いすたんぶるふゆぎりのこく きはぱりへ)



 コガラ (2018.11.26 山中湖:山梨県)


 (2018年12月4日 山中湖にて)


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テーマ : 詩・和歌(短歌・俳句・川柳)など
ジャンル : 学問・文化・芸術

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渡邊むく

Author:渡邊むく
産業技術英語通訳・翻訳者。男性。岩手県生まれ宮城県育ち。人生の大半は首都圏暮し。海外生活約10年。俳句歴:2000年より。主な発信地:神奈川県横須賀市、山梨県山中湖村。

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