がまずみの花
2014/05/23 Fri

2014/05/18 ガマズミ(観音崎公園:神奈川県横須賀市)
この花の名前が「ガマズミ」であると知ったのは最近のことです。
子供時代を過ごした宮城県の仙北地方では、「ソゾミ」と呼んでいました。
もっとも、私は秋に真っ赤に色づいたその実のことをソゾミと呼んでいたのであって、花のことは覚えていませんでした。
木を「ソゾミの木」とは呼んでいたようにも思います。
初夏にはツツジの花を、秋にはソゾミ(の実)を、学校帰りの道端などで見かけてはよく摘んで食べたものです。
え、馬みたい?
そりゃムクゲの花でしょう。
道のべの木槿は馬にくはれけり /芭蕉
…ってね。
「小鳥さんみたい」とか言ってよ、ガンコちゃん。
おサルさんみたい…って、あんまりだ!
別にお腹の足しにしたくて食べた訳ではありません。
「食べられる」というので好奇心からです。
スカンポを食べたのも同じような動機からだったと思います。
(スカンポの場合は新聞紙に包んだ塩をポケットに忍ばせて歩いていましたから、ちょっと違うかな?)
どれも酸っぱかったですね。
今の子供さんたち、そんなことはしなくなったでしょうね。
ソゾミの実を絞ると、真っ赤なジュースになります。
ザクロジュースのような、透き通るように鮮やかな赤い果汁です。
飲んだことはありませんが。
「ガマズミ」も「ソゾミ」も、語源はあまりはっきりしないようです。
ロシア語では「カリンカ」だとか。
あの有名なロシア民謡の題名はガマズミのことだったんですね。
歳時記では「がまずみ=秋」(角川書店・新版『季寄せ』)となっています。
虚子は「完全ではない」という前提付きで「実は全て秋」にしたと聞いたことがあります。
私の歳時記には見当たりませんが、「がまずみの花」には十分に初夏の季感があると思います。
季語に認めている歳時記もあるのかもしれませんね。

2014/05/18 ガマズミ(観音崎公園:神奈川県横須賀市)
くもの巣を払いつつ子らそぞみ摘む /むく
景は秋になりますが。

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コメント
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Re: ありがとうございました。
よく拝見せず失礼を申し上げました。
小手毬が咲いてそれから大手毬、ちょっと間がありますね。
どちらもとても好きな花です。
花は季節の移ろいを何よりも感じさせてくれますね。
「季節を感じるために働く」のだと言った詩人がおりました。
さあ、今日も季節を感じなくては(笑。