灯籠や今も引揚桟橋と むく

矢車草

2014/05/22 Thu

2014/05/18 矢車草と麦なでしこ(観音崎公園:神奈川県横須賀市)
 2014/05/18 矢車草と麦なでしこ(観音崎公園:神奈川県横須賀市)

 撮った写真を眺めていたところ、矢車草と一緒に咲いているうす紫の花の名前が分かりません。
 ガンコちゃんが戻って来てから訊ねてみました。
 「え、よく聞こえない。」
 キッチンで洗い物をしているところでした。

 「矢車草と一緒に咲いていた紫がかったピンクの、すこしラッパ形をした茎の長い花の名前、知ってますか?」と、声を大きくして背中から訊ねました。
 「あ、あれね。
 アグロス・テンマ。
 ムギなんとかとも言うと思う。
 調べてみて。」

 「アグロ…、覚えきれない。
 もう一度」と聞き直しました。

 インターネットで検索するとすぐに分かりました。
 "Agrostemma"、"Agro"(野=ギリシャ語)と"Stemma"(冠=ラテン語)の合成語。
 ガンコちゃんが「アグロス天馬」ではなく「アグロ・ステンマ」と聞こえるように教えてくれればもう少し覚えやすかったのに…。

 外来植物の一つですが、「ムギセンノウ」、「ムギナデシコ」という和名もあります。
 おや、英名は"Corncockle"!
 矢車草の英名は"Cornflower"ですから、混植してあったのは、共に名前に"Corn-"が付くという洒落からだったのでしょうか。
 たまたま…という気もしますが。

 アグロステンマの原産は地中海の東方ということですが、私は見た覚えがありません。
 ヨーロッパでは麦に混じって咲くために小麦粉に混じり込んでしまうので、歓迎されない雑草扱いされてきたようです。
 「麦畑の中に咲いている」景色を見たことはあるような、ないような。
 今のように俳句にも縁がなかったので、矯(た)めつ眇(すが)めつして花を眺めることもありませんでしたが。

 和名は「ムギセンノウ」が一般的なようですが、私は「麦撫でし子」と覚えたい。

 
2014/05/18 アガパンサス(観音崎公園:神奈川県横須賀市)
 2014/05/18 アガパンサス(観音崎公園:神奈川県横須賀市)

 アガパンサスは"Agape"(ギリシャ語=愛)と"anthus"(ギリシャ語=花)の合成語だとか。
 「エロース」ではなく、人間に対する神の愛を意味する「アガペー」。
 すごい名前が付いているものですね。

 花とは関係ありませんが、月刊『俳句界』5月号に「あなたはどっち 旧かなの魅力 新かなの魅力」という、ちょっとハッとするようなタイトルの特集がありました。
 俳句結社の高齢化に関する各主宰アンケート回答を特集した4月号に続いての企画です。

 5月号の特集もアンケート回答に近いものなのですが、それぞれの仮名遣いの「魅力」と言いながら、実は「どちらにすべきか」について論議していきたいという、質問を企画した出版社が意図は明確です。
 また、この問題は4月号の特集である「結社の高齢化」とも少なからず関係している、と私は思っています。

 旧かな・新かなの問題には、これまで多分にアンタッチャブルな側面があったと思います。
 一号限りの特集ではなく、白熱した議論が継続されていくことを期待したいものです。

 このことについて縷々私見を書きたいと思っていましたが、ここに書くよりも考えを整理することがまず先、と思って取り敢えず先延ばし。

 これだけは持論として書いておきたいと思います。
 既に何冊もの句集を出版しているような、今さら修正の利かない大ベテランならともかく、生きた俳句を詠みたいなら、俳句の将来性を考えるなら、断固新かなで詠むべし、と。

 飛躍した、また己の実力も顧みない物言いではありますが、「俳聖芭蕉は言葉遊びの大冒険者、すなわち言葉の革命者だった」とも思っています。
 十七文字の世界の中で、一語はもとより、一字二字の冒険を試みることは、すなわち大きな冒険を試みることだと常々思い、またそうありたいと目指しています。

 学生時代、黒板に書く日本語の送り仮名が全て旧かなで、しかも「カタカナ」という英文法の教授がいました。
 小学校に入ってから、送り仮名をカタカナで書く先生に会ったのはこの時が初めてで、いやぁ、ビックリしましたね。
 (発音もひどかったですが。)
 眠気に襲われる学生が多いので、私は「墓場の教室」と呼んでいました。

 カタカナ文は慣れないと読みにくいものです。
 宮沢賢治の「雨ニモ負ケズ」だけで十分お腹いっぱい、という気になります。

 その教授、当然、人気はなかったですね。
 俳句界もそうならないような舵取りをと期待しています。


2014/05/18 野麦(観音崎公園:神奈川県横須賀市)
 2014/05/18 野麦(観音崎公園:神奈川県横須賀市)

 穂の出ている野生化した麦。
 ピンぼけしたので小さな画像だけ。




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渡邊むく

Author:渡邊むく
職業:産業技術英語通訳・翻訳者。男性。俳句歴:2000年より。(主な発信地:神奈川県横須賀市、静岡県御殿場市)

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