Yvonne

雲の峰北緯三十五度の海

峰桜(みねざくら)

2018/04/22 Sun

    峰桜雨に無念の墓一基

         (みねざくら あめにむねんのはかいっき)



 遅桜 (2018.04.20 須走:静岡県駿東郡小山町)


 2018年4月20日(金)

 どうしてもこのこの辺りの遅桜を見たくて、須走浅間神社前の駐車場に車を止めた。
 本当はこの上の篭坂峠にある藤原光親(葉室光親)卿の供養塔近くに立って見たいのだが、塔の周辺には峠を御殿場方面に下るときに2、3台駐車できるスペースが路肩にあるだけで、登り道には全く駐車できる場所がない。
 御殿場と山中湖を行ったり来たりするたびに篭坂峠を通るのだが、不本意ながら、いつも車中から供養塔を眺めるだけで通り過ぎる。

 峠に桜が咲いてからはいつも雨で機会に恵まれず、卿の怨霊が日増しに重くわが身にのしかってくる思いでいた。
 今日は横須賀に帰るので、これが最後のチャンスと、せめてもの思いで峠への登り口となる須走で車を停め、篭坂と富士を見上げながら、桜の下でしばし遥かな古(いにしえ)に思いを馳せた。

 篭坂峠を越えるたび、承久の変(承久3年;西暦1221年)の首謀者としてこの峠で処刑された光親卿の非業の最期を思わずにはいられない。
 (「承久「変」を最近は「承久の乱」と言うらしいが、私は中学校の歴史でも習ったとおり、「承久の変」と呼んでいる。)
 卿は、忠を尽くした主君後鳥羽上皇に裏切られ、その身代わりに斬首されたようにさえ思われる。
 清廉の士の最期は哀れこの上ないものであった。
 時代こそ変われ、不徳の君の横暴ゆえの理不尽は今も昔と変わらないようだ。


    峰桜けふも濡れゐる石の塔 /むく

         (みねざくら きょうもぬれいるいしのとう)


 (2018年4月22日 横須賀にて)




にほんブログ村 ポエムブログ 俳句へ ご訪問ありがとうございました。
スポンサーサイト

テーマ : 詩・和歌(短歌・俳句・川柳)など
ジャンル : 学問・文化・芸術

コメント

Secret

プロフィール

渡邊むく

Author:渡邊むく
産業技術英語通訳・翻訳者。男性。岩手県生まれ宮城県育ち。人生の大半は首都圏暮し。海外生活約10年。俳句歴:2000年より。主な発信地:神奈川県横須賀市、山梨県山中湖村。

最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
最新コメント
リンク
検索フォーム
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR