「雛」掲載句(2017年)
2017/04/17 Mon
雛 掲載句・掲載記事
(2017年4月号)

少しづつ暮しの変はり去年今年
(すこしづつくらしのかわり こぞことし)
事故原因調査報告初仕事
(じこげんいんちょうさほうこく はつしごと)
寒すばる羽田を発ちし深夜便
(かんすばる はねだをたちししんやびん)

遠山に雪クレヨンの絵のごとく
(とおやまにゆき くれよんのえのごとく)
(2017年3月号)

行者めき片足に立つ冬の鷺
(ぎょうじゃめき かたあしにたつふゆのさぎ)
万歩計冬の朝日が今沖に
(まんぽけい ふゆのあさひがいまおきに)
髭剃つて顎に傷つき十二月
(ひげそってあごにきずつき じゅうにがつ)

奈良よりの師の参られし報恩会
(ならよりのしのまいられし ほうおんえ)

とある駅寒梅の紅濃かりけり
(とあるえき かんばいのべにこかりけり)
(2017年2月号)

菊花の日昭和も遠くとは言はじ
(きくかのひ しょうわもとおくとはいわじ)
付き合つてあげると言ふ子冬うらら
(つきあってあげるというこ ふゆうらら)

釣れるたび父呼ぶ少女磯小春
(つれるたびちちよぶしょうじょ いそこはる)
紅葉かつ南京櫨の実のま白
(もみじかつ なんきんはぜのみのましろ)
(2017年1月号)

妻何か編む色鳥を待ちながら
(つまなにかあむ いろどりをまちながら)
野紺菊あさぎまだらはいつ旅へ
(のこんぎく あさぎまだらはいつたびへ)
小鳥食べきれぬほどの実山法師
(ことりたべきれぬほどのみ やまぼうし)

新走り卒寿の母と交はすべく
(あらばしり そつじゅのははとかわすべく)
大津絵の鬼も仏も秋うらら
(おおつえのおにもほとけも あきうらら)

席題:「柿落葉」
柿落葉色愛づるべく拾ふべく
(かきおちば いろめづるべくひろうべく)

浮寝鳥入江ときどき魚の跳ね
(うきねどり いりえときどきうおのはね)
吾も今朝は少しく寝坊浮寝鳥
(あもけさはすこしくねぼう うきねどり)
月刊「雛」: 編集・発行人 高田風人子 福神則子
発行所: 〒155-0033 東京都世田谷区代田6-9-10 雛発行所
誌代: 月900円(年間10,800円)。
※ 「雛」の見本誌をご希望の方は上記発行所にご請求ください。
(または、当ブログのコメント欄にその旨をお書き込みくだされば取次いたします。)
※ 「雛」は、長年高濱虚子、星野立子に師事し、ホトトギス本流の諷詠の道一筋に歩んで来られた高田風人子先生主宰の「惜春」の後継誌です。(「雛」主宰:福神則子先生)

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テーマ : 詩・和歌(短歌・俳句・川柳)など
ジャンル : 学問・文化・芸術
コメント
No title
身近で感じる心温まる句ばかりですね
最初から 繰り返し読ませて頂き
安らぎ感動致しております
素晴らしい句をありがとうございました♪
Re: No title
> 身近で感じる心温まる句ばかりですね
> 最初から 繰り返し読ませて頂き
> 安らぎ感動致しております
> 素晴らしい句をありがとうございました♪
もったいないお言葉、ありがとうございます。
改めて俳句は日記だと思ってこまめに詠んでいけたらと思ったりしています。
山のようにたくさんの駄作を、と。
コメントありがとうございます。