秋めく
2020/08/25 Tue
気まぐれに花入れを買ふ秋めきて /むく
(きまぐれにはないれをかう あきめきて)

左耳の中に炎症が出来た。
少し熱を持ち、リンパ腺まで腫れている感じがした。
インターネットで耳鼻咽喉科を検索した。
開業して三十余年というベテランの専門医が見つかった。
診てもらいに行った。
「外耳道炎だな。
耳の掻き過ぎだね。
ぜったいに耳を掻かないこと。
耳掻き棒も綿棒もダメ。
耳に触らないこと。
と言っても、これが我慢できないんだよなぁ。
熱い風呂、過激な運動は避けること。」
「酒もですね。」
「あぁ、勿論だ。
どうしても耳に触りたくなったら、またここに来なさい。」
歯に衣を着せない、ぶっきらぼうな先生だ。
そういう愛想のないベテランの先生が私は好きだ。
が、商売上はどうなのだろうか。
もう少しやさしく、お世辞の上手な先生のほうが女性は好きかもしれない。
余計なお世話だが。
これまでに中耳炎に罹ったことは何回かあるが、外耳道炎という診断を受けたのは初めてだ。
湯上りに竹製の耳掻き棒を使って掻いたのだが、どうやら、その時に掻き過ぎたのが直接の原因らしい。
外耳道炎は耳を掻き過ぎる人に多い疾患だと言う。
「耳掻きをし過ぎると外耳道が狭くなる。
もうだいぶ狭くなってるなぁ。
ひどくなると耳垢臭い人間になって、難聴になったり耳が聞こえなくなったりするよ。」
「先生、耳垢臭いってどういうニオイですか?
パルメザンチーズのような匂いでしょうか?」
「何というかなぁ…四五日穿き続けた靴下のような臭い、と言えば分かるかな。」
万止むを得ない事情から、同じ靴下を二日続けて穿いたことはあるが、三日以上穿き続けたことはない。
二日目の靴下は、穿くときに我ながら臭くて堪らなかった。
それが、“四五日穿き続けた靴下のような臭い”と言うのだ。
話を聞いただけで私の低い鼻が曲がりそうになった。
それ以上に、糖尿病持ちなので感染症が心配である。
抗生物質を処方してもらった。
…あれから四日経った。
耳の具合はだいぶ良くなった。
今朝は五日ぶりに散歩にも行ってきた。
念のために、あと四日分の抗生物質を処方してもらってきた。
すこし心配し過ぎのように聞こえるかもしれないが、それには訳がある。
去年、感染症で足が象のように腫れ、あわや片足切断しかねないような経験をして懲りたことである。
耳の中で感染症を起こすと顔半分が腫れあがるというから、それも恐ろしい。
自分でも恐ろしいくらいだから、それを目にするガンコちゃんは…。
新型コロナウィルスの場合もそうだが、感染症は糖尿病患者がもっとも恐れなければならない病気、と思っている。
これからは耳掻きをしてもらうために耳鼻科に通うことになるのだろうか?
美人の先生の膝枕で掻いてもらえるのだったら喜んで通いたいところだが…。
買った花瓶に適当に投げ入れた女郎花と芒 (2020.08.25 秦野市:神奈川県)
(2020年8月25日 秦野にて) ご訪問ありがとうございました。
テーマ : 詩・和歌(短歌・俳句・川柳)など
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