渡邊むく俳句ブログ~まあおたいらに~渡邊むく俳句ブログ~まあおたいらに~ 2019年05月
FC2ブログ
雪渓の細き一条富士の紺

黄鶲(きびたき)

2019/05/20 Mon


 キビタキ (2019.5.20 山中湖村:山梨県南都留郡)


 今日撮ったキビタキ(♂)。
 山中湖の寓居でキビタキの声が聞こえ始めたのは4月25日頃。
 以来何度か撮ったキビタキの写真を、時系列的に下にまとめる。


 


 上の画像は左右ともキビタキ(♀)。
 4月28日、山中湖の寓居の近くで撮影。


 


 キビタキ(♂): 5月1日、山中湖の寓居周辺で撮影。
 写真は♀→♂の順になったが、キビタキが東南アジアから日本に渡来するのは♂→♀の順だと言われている。
 ♂には縄張りを決め巣を作る仕事があるからか。


 


 キビタキ(♂)。
 (左) 5月15日、山中湖の寓居周辺で撮影。
 (右) 5月17日、富士山登山道(富士吉田市)で撮影。


 


 キビタキ(♂): 左右とも5月17日、富士山登山道(富士吉田市)で撮影。

 


 キビタキ(♂)。
 (左) 5月17日、富士山登山道(富士吉田市)で撮影。
 (右) 5月18日、山中湖の寓居近辺で撮影。
 孵化したばかりのような翅のある虫を捕まえた。


 


 キビタキ(♂)。
 (左)(右)とも5月18日、山中湖の寓居周辺で撮影。
 (左) 首を大きく振り回して、虫を何度も枝に叩きつける。


 


 キビタキ(♂): 5月18日、山中湖の寓居周辺で撮影。
 (左) 捕えた餌はすぐには食べようとせず、どこかへ運ぼうとしているようだ。
 (右) その様子を、♀のキビタキが近くの木の枝で見守っていた。
 いわゆる「求愛給餌」かと思う。



 キビタキ (2019.5.18 山中湖村:山梨県南都留郡)



        黄鶲の夕日まみれの歌つづく /堀口星眠

 黄鶲は夏鳥。朝が早い鳥たちの中でも黄鶲の朝が特に早いと感じるのは、あのよく通る美しい囀りのせいだろう。標高千メートルの山中湖の五月の早朝は寒いが、標高四五〇メートルの御殿場の仮庵では、黄鶲の声を聞きたいばかりに、朝起きると顔を洗うよりも厠に立つよりも先に、いの一番に居間の大窓を開けたものだった。黄鶲は日が沈んだあとも辺りが夕闇に包まれるまで鳴きつづける。その声を聞いているだけで幸せな気持になれる。(むく)

 (2019年5月20日 山中湖にて)


 ご訪問ありがとうございました。


ブログランキング: 日本ブログ村  FC2

テーマ : 詩・和歌(短歌・俳句・川柳)など
ジャンル : 学問・文化・芸術

富士雪解(ふじゆきげ) / マロニエ咲く

2019/05/19 Sun

    富士雪解茄子植うべきや待つべきや /むく

        (ふじゆきげ なすううべきやまつべきや)




 棚曇 (2019.5.13 山中湖村:山梨県南都留郡)



 五月富士 (2019.5.11 山中湖村:山梨県南都留郡)



 富士雪解 (2019.5.11 山中湖村:山梨県南都留郡)



 チューリップ (2019.5.11 山中湖村:山梨県南都留郡)


日 記 2019年5月19日(日)

 横須賀に忘れてきたと思った『俳句界』5月号の投句用紙が出てきた。
 明後日ぐらいから一度横須賀に帰るつもりだったが、帰らずともよくなった♪

 借りている花の都公園の小さな菜園にナス、甘トウガラシ、ズッキーニ、トマトの苗を植えた。
 先に植えたジャガイモは芽を出し、順調に育っている。
 今日、芽欠きを行った。
 トウモロコシ、インゲンも目を出し始めた。
 ネギも元気。
 去年は出来が良くなかったトウモロコシ。
 今年は元気に育って欲しい。

 夜、テレビの天気予報を観ると、明日は雨で日中最高気温は15度だそうだ。
 ナス、だいじょうぶかなぁ。
 特にナスだけは心配だったのだが、横須賀に帰らなくても良くなったら、つい嬉しくなって苗を買い、植えてしまった。
 仕方がない、駄目そうだったら早めに諦めて苗を買い直そう。
 遅霜だけは降りないで欲しい。



 マロニエ (2019.5.09 参宮橋:東京都渋谷区)



    飲みさしを提げマロニエの咲く大路 /むく

        (のみさしをさげ まろにえのさくおおじ)



 (2019年5月19日 山中湖にて)


 ご訪問ありがとうございました。


ブログランキング: 日本ブログ村  FC2

テーマ : 詩・和歌(短歌・俳句・川柳)など
ジャンル : 学問・文化・芸術

リラの花

2019/05/17 Fri

    吾子去りし山湖に二人リラの花

        (あこもさりしさんこにふたり りらのはな)



    愛しめり花ととのひし白きリラ /むく

        (いとしめり はなととのいししろきりら)




 ライラックの花 (2019.5.15 山中湖村:山梨県南都留郡)


 私の来し方の中では身近に接したことのなかった花、ライラック。
 山中湖の湖畔には、道の一部がライラックの並木になっているところがある。
 近年植えられたもののようだが。

 リラ(lilas)はフランス語名で、ライラック(lilac)は英語名。
 『リラの花咲く頃』という古い歌謡曲も知ってはいたが、私が最初に親しみを覚えたのは英名のライラック。
 オードリーヘップバーン主演のミュージカル映画『マイフェアレディ』の劇中歌“On The Street Where You Live”(君住む街角)を覚え込んだ時であった。
 将来は英語で身を立てようと考え始めた高校生時分のことである。

 … Are there lilac trees
 In the heart of town?
 Can you hear a lark
 In any other part of town?
 Does enchantment pour
 Out of every door?
 No, it’s just On the street
 Where you live.

 


 白いライラックの花 (2019.5.15 山中湖村:山梨県南都留郡)


日 記 2019年5月17日(金)

 富士吉田の富士散策公園、農村公園を少し歩いたあと、ガンコちゃんと一緒に野鳥を観ながら、標高1,100メートルの「中の茶屋」から標高1,300メートルの「大石茶屋跡」まで歩いた。
 途中二組の外国人に出会った。
 一組は動画を撮りながら一人で歩いていたフランスの青年で、英語は苦手のようだった。
 もう一組は女性一人を交えた五人組のアメリカの青年たちで、午前11時を回った頃だった。
 元気な足取りで私たちを追い越して行く。

 “You guys are strong. To where?”
 "To Gogo-me."
 "From now?"
 "Are you suspicious that we can't make it?"
 "No, I'm not. I believe that you will follow your setup time. Good luck!"

 ※ 英語のyouは一人の相手を指しているのか複数の相手を指しているのか不明の場合がある。
 上のケースがまさにそれに当たる。
 "you guys"はそれを明確にするためのネイティヴがよく使う表現。
 "You guys are strong."は「みなさん元気ですねー」ぐらいの意味。
 汗を流して頑張っている人たちに激励の気持を込めて声掛けする時にはピッタリ。
 一般にカジュアルな表現と思われているが、必ずしもそうとは言えない。
 むしろ複数の相手に声を掛けているのだなと理解してもらえる。
 そんな言い方が出来る日本人に出会うことは少ないので、かえって好感度がアップすると期待していい。
 自信を持って使ってみることをお奨めする。

 "You guys are tough."では「みなさん手ごわいですね」の意味が強まるので、ダメ。
 "You are tough."なんて言うと、「あなたは手に負えない(食えない)人だ」という意味になるので、もっとダメ。
 日本人同士の会話では「タフ」を「元気」という意味で使うが、英語でもそれが正しいと思って"tough"を誤用している人をよく目にするので、注意として記した。

 万歩計は1週間で5万歩強。
 まずまず。
 Yet climbing up Mount fuji is so tough.
 (それでも富士山を登るのはとても大変だ。)


 (2019年5月17日 山中湖にて)


 ご訪問ありがとうございました。


ブログランキング: 日本ブログ村  FC2

テーマ : 詩・和歌(短歌・俳句・川柳)など
ジャンル : 学問・文化・芸術

薔薇(ばら)

2019/05/16 Thu

    薔薇咲きぬ異国にをりし頃を縷々

        (ばらさきぬ いこくにおりしころをるる)



    アナトリア朝の薔薇摘むをみなごら

        (あなとりあ あさのばらつむおみなごら)



    ペルシャ薔薇庭の白亜に濃かりけり

        (ぺるしゃばら にわのはくあにこかりけり)



    薔薇の雨ヨークの古き石畳 /むく

        (ばらのあめ よーくのふるきいしだたみ)




 バラ (2019.5.09 参宮橋:東京都渋谷区)



 バラ (2019.5.09 参宮橋:東京都渋谷区)



 バラ (2019.5.09 参宮橋:東京都渋谷区)


日 記 2019年5月16日(木)

 ホトトギス、オオルリ、キビタキ、コサメビタキ、イカル、アカゲラ、メジロ…今日聴いた野鳥の声。
 ホトトギスが聞こえたのは今年初めて。



    目には青葉山ほととぎす初鰹 /山口素堂

 夏の季語が3つも重なっている句だが、真の季語は初鰹。中七「ほととぎす」の後に切れがある。上五の字余りによって秀句となっていると言えようか。季重なりに寛容だった江戸時代の発句。

 (2019年5月16日 山中湖にて)


 ご訪問ありがとうございました。


ブログランキング: 日本ブログ村  FC2

テーマ : 詩・和歌(短歌・俳句・川柳)など
ジャンル : 学問・文化・芸術

若葉

2019/05/15 Wed

    落葉松も楓も若葉しづもれり /むく

        (からまつもかえでもわかば しずもれり)




 オオルリ(♀) (2019.5.15 山中湖村:山梨県南都留郡)


 探鳥から帰って寓居に入ろうとすると、建物のエントランス近くの落葉松の枝に。


 オオルリ(♀) (2019.5.15 山中湖村:山梨県南都留郡)


 初めはコサメビタキかと思ったが、嘴の下側が黄色くないのでキビタキの雌かな?と。


 オオルリ(♀) (2019.5.15 山中湖村:山梨県南都留郡)


 しかし、キビタキの雌なら羽に少し濃淡と白い紋があるが、羽全体の色が茶色なので…オオルリだ!と。
 バルコニーでも雄のオオルリの声が聞こえ始めたので、これからが楽しみ♪


日 記 2019年5月15日(水)

 今月から横須賀ではなく山中湖に郵送していただくようにした『雛』5月号が届いた。
 一方で、投句用紙が付いた『俳句界』の5月号を横須賀に置き忘れてきたことに気付く。
 こちらも郵送先住所を変更しなくては。
 どっちが自宅なんだか。


 (2019年5月15日 山中湖にて)


 ご訪問ありがとうございました。


ブログランキング: 日本ブログ村  FC2

テーマ : 詩・和歌(短歌・俳句・川柳)など
ジャンル : 学問・文化・芸術

揚雲雀(あげひばり)

2019/05/14 Tue

    輝きつ羽ばたく十字揚ひばり /むく

        (かがやきつはばたくじゅうじ あげひばり)




 揚雲雀 (2019.4.21 山中湖村:山梨県南都留郡)


日 記 2019年5月14日(火)

 夜、山中湖村公民館で句会。
 句会は月に2回と決まっているのだが、それ以上に久しぶりの気がした。
 句仲間の皆さんに早くお会いしたい気持が強かったからだろう。
 皆さんから良い刺激を受けているからだろう。



 若草 (2019.5.13 山中湖村:山梨県南都留郡)



        揚ひばり発車待つ間の始発駅 /むく(旧詠)

        (あげひばり はっしゃまつまのしはつえき)


 義家が末裔富士を耕せり?(x 。x )☆\ (2019.5.11 山中湖村:山梨県南都留郡)


 (2019年5月14日 山中湖にて)


 ご訪問ありがとうございました。


ブログランキング: 日本ブログ村  FC2

テーマ : 詩・和歌(短歌・俳句・川柳)など
ジャンル : 学問・文化・芸術

花は葉に / 夏来る

2019/05/14 Tue

    花は葉に過ぎた遠慮に悔すこし /むく

        (はなははに すぎたえんりょにくいすこし)




 キビタキ (2019.4.26 山中湖村:山梨県南都留郡)



 キビタキ (2019.4.28 山中湖村:山梨県南都留郡)



 キビタキ (2019.4.28 山中湖村:山梨県南都留郡)


 日 記 2019年5月13日(月)

 予約してあったガンコちゃんの歯の治療が終わるのを待って、クマガイソウを観に。
 ガンコちゃんを待つ間、私は菜園のそばでヒバリを撮っていた。
 クマガイソウを観たあと、ふたたび菜園へ。
 ガンコちゃんが草を引いている間、私は菜園のそばでヒバリを撮っていた。

 写真はヒバリではなく、夏鳥のキビタキ。



    海白砂一直線に夏来る /むく

        (うみはくさ いっちょくせんになつきたる)



 (2019年5月14日 山中湖にて)


 ご訪問ありがとうございました。


ブログランキング: 日本ブログ村  FC2

テーマ : 詩・和歌(短歌・俳句・川柳)など
ジャンル : 学問・文化・芸術

車組む / 橇しまう

2019/05/13 Mon

    車組む令和へタイヤ履き替へる

        (くるまくむ れいわへたいやはきかえる)



    曲屋の橇蔵はれてより遥か /むく

        (まがりやのそり しまわれてよりはるか)




 揚雲雀 (2019.5.13 山中湖村:山梨県南都留郡)


 私が生まれたのは南部曲屋の妣の実家である。
 その曲屋は直屋(すごや)様に建て替えられて久しい。
 世は自動車社会化し、農業も機械化が進み、「車出し」も「馬橇(ばそり)」も遠に過去のものになった。

 富士山北麓には、稀少にはなったが曲屋様の古い家屋が今も散見される。
 現在も人がお住まいの家もある。
 が、萱葺きだった屋根はトタンに変わった家が多い。
 萱葺屋根の家にお住まいの方にお訊ねしたところ、萱は入手も困難で萱葺屋根は葺替えの費用が嵩むからだと伺った。

 萱葺き屋根の古い民家を見ると郷愁に誘われる。
 稀少な萱葺屋根の家、景観には寄与していよう。



 草雲雀 (2019.5.13 山中湖村:山梨県南都留郡)



いつも何かさがしているようだなひばり /渥美清



 (2019年5月13日 山中湖にて)


 ご訪問ありがとうございました。


ブログランキング: 日本ブログ村  FC2

テーマ : 詩・和歌(短歌・俳句・川柳)など
ジャンル : 学問・文化・芸術

筆竜胆(ふでりんどう) / 富士桜

2019/05/12 Sun

    富士野晴れて筆りんだうの咲きをりし

        (ふじのはれて ふでりんどうのさきおりし)




    花すみれそのかたはらに筆りんだう

        (はなすみれ そのかたわらにふでりんどう)




    筆りんだう土地の人らも気のつかず

        (ふでりんどう とちのひとらもきのつかず)




    筆竜胆つくしんぼうを見上げをり

        (ふでりんどう つくしんぼうをみあげおり)




    棚ぐもり筆りんだうの閉ぢてをり

        (たなぐもり ふでりんどうのとじており)




    筆りんだう今日は嬉しげ富士も晴れ /むく

        (ふでりんどうきょうはうれしげ ふじもはれ)





 フデリンドウ (2019.4.25 山中湖村:山梨県南都留郡)



 スミレ (2019.4.22 山中湖村:山梨県南都留郡)


 日 記 2019年5月12日(日)

 中の茶屋から馬返しまで登った。
 午後3時頃から雨という予報だったので、1合目まで歩くことは断念。

 中の茶屋付近に群生する富士桜は既に葉桜に。
 余花もまばらに。
 また来年もと楽しみにしている。

 写真には撮れなかったが、オオルリの声も聞こえた。
 気温は低いが富士山北麓も初夏。
 日焼けした。

 下の写真は連休初めに撮った富士桜。
 かつてNHKの大河ドラマ「義経」のオープニングに、ここに群生する富士桜が背景として使われたという。
 後姿は静御前…かな?



 富士桜 (2019.4.27 中の茶屋付近:山梨県富士吉田市)



    富士桜けぶる小雨にめぐまれし /むく

        (ふじざくらけぶるこさめに めぐまれし)



 (2019年5月12日 山中湖にて)


 ご訪問ありがとうございました。


ブログランキング: 日本ブログ村  FC2
↓ よければ拍手・コメントをお願いします。励みになります。

テーマ : 詩・和歌(短歌・俳句・川柳)など
ジャンル : 学問・文化・芸術

「雛」掲載句(2018年)

2019/05/10 Fri

   掲載句・掲載記事 (2018年)




  『雛』 2018年12月号


        初鵙や何か急かされゐるやうな

        (はつがもや なにかせかされいるような)
        2018年12月号 福神則子選



        富士に灯の絶へて即ち秋気満つ

        (ふじにひのたえて すなわちしゅうきみつ)
        2018年12月号 福神則子選



        秋気満つ日々に親しきけものたち

        (しゅうきみつ ひびにしたしきけものたち)
        2018年12月号 福神則子選


雛 散 歩

 忍野富士と岡田紅陽


 現在使われている千円札や旧五千円札の裏にデザインされている富士山は、プロ写真家の草分けである岡田紅陽(明治二八~昭和四七年)の作品「湖畔の秋」を図案化したものである。一眼レフすらまだ世に登場していなかった時代に、若き紅陽は東京府の委託によって関東大震災(大正十二年)の記録写真を撮り、これを写真集として出版して世に知られるようになった。乾板、銀板を使って写真を撮影していた時代の話である。
 もとより富士山撮影に生涯を捧げると決めていた紅陽は、拠点と定めた富士山北麓の忍野村を中心に、五十余年にわたって約四十万枚の富士山写真を撮った。当初、忍野へは大月から富士道を歩いて通ったという。
 厳寒の忍野は気温が氷点下十五度ぐらいまで下がる。紅陽は撮影のためには真冬の富士山に登ることも辞さなかった。重そうな三脚の傍に褞袍を羽織り手拭で頬被りして立っている紅陽の肖像写真が残っている。
 忍野の村や近郷の山から撮った富士山、河口湖や本栖湖に足を伸ばして撮った富士山など、紅陽が撮った数々の、時には奇跡的でさえある白黒の富士山には、今日の富士山写真家の色彩感溢れる作品よりも胸を打たれる。風景写真を芸術にまで高めた紅陽の執念が伝わってくる。紅陽は富士山写真以外にも「国立公園十二勝」などの多くの風景写真を撮り、日本各地の観光発展に寄与した。
 忍野村を訪ねた時に夏野菜畑で出遭った老人がこう語った。「岡田紅陽写真美術館がある場所から、以前は佳い富士山が見えた。カメラマンが毎日行列していたよ。今は来なくなったね。」
 景色も変わったのだろうが、人々の写真撮影スタイルも変わったのだと思う。当世は、車を運転しさえすれば、紅陽の時代には考えられなかったほど簡単に目的の撮影地に行けるようになった。夜明けのパール富士撮影も夕暮れのダイヤモンド富士撮影も、車の中で待っていれば大いに寒さをしのげる。携帯電話で仲間と「今〇〇に来ている。赤富士は今イチかも。そっちはどう?あ、そう。今から移動しようかな。」などと連絡も取り合える。
 カメラも、今ではフィルムなど要らないデジタル一眼レフ時代になった。万事便利になった時代を、紅陽はどんな顔で見守っているのだろう。

   富士澄めりコスモスの色日々に濃く  むく





  『雛』 2018年11月号


        診療所吾も避暑地の村人と

        (しんりょうじょ われもひしょちのむらびとと)
        2018年11月号 福神則子選



        盆の月富士に灯の連なりて

        (ぼんのつき ふじにあかりのつらなりて)
        2018年11月号 福神則子選



        釣舟草水流れては澱みては

        (つりふねそう みずながれてはよどみては)
        2018年11月号 福神則子選



        妻に聞こへ吾に聞こへぬ鉦叩

        (つまにきこえわれにきこえぬ かねたたき)
        2018年11月号 福神則子選




  『雛』 2018年10月号


        星涼し妻のめまひの治まりて

        (ほしすずし つまのめまいのおさまりて)
        2018年10月号 福神則子選


        老二人ほどよき汗をかやと山

        (おいふたりほどよきあせを かやとやま)
        2018年10月号 福神則子選


        大型のキャンピングカー老元気

        (おおがたのきゃんぴんぐかー おいげんき)
        2018年10月号 福神則子選


        日盛やきれいにお辞儀して行く子

        (ひざかりや きれいにおじぎしてゆくこ)
        2018年10月号 福神則子選

選評(秀句鑑賞): かんかん照りの中を礼儀正しくお辞儀して去ってゆく子を見かけた。その健気さに好感を持っての一句。



  『雛』 2018年9月号


        若葉冷灯油の匂ふ杣の家

        (わかばびえ とうゆのにおうそまのいえ)
        2018年9月号 福神則子選



        遊船の桟橋閉ぢて湖暮るる

        (ゆうせんのさんばしとじて うみくるる)
        2018年9月号 福神則子選



        句座久し現るる人みな涼し

        (くざひさし あらわるるひとみなすずし)
        2018年9月号 2018年7月22日横須賀吟行会 風人子先生後選




  『雛』 2018年8月号


        朴の花標高高き出湯の宿

        (ほおのはな ひょうこうたかきいでゆのやど)
        2018年8月号 高田風人子選



        幼らの気付かざりしよ朴の花

        (おさならのきづかざりしよ ほおのはな)
        2018年8月号 高田風人子選



        朴の花訛り豊かに杣語り

        (ほおのはな なまりゆたかにそまがたり)
        2018年8月号 福神則子選




  『雛』 2018年7月号


        海うしの雨ふらしのと春の磯

        (うみうしのあめふらしのと はるのいそ)
        2018年7月号 高田風人子選



        ささやかに耕し大き富士仰ぐ

        (ささやかにたがやし おおきふじあおぐ)
        2018年7月号 高田風人子選



        花こぶし富士の農鳥遠からず

        (はなこぶし ふじののうとりとおからず)
        2018年7月号 福神則子選



        天と地の何かが違ひ花冷ゆる

        (てんとちのなにかがちがい はなひゆる)
        2018年7月号 福神則子選




  『雛』 2018年6月号


        髭剃つたり剃らなかつたり老の春

        (ひげそったりそらなかったり おいのはる)
        2018年6月号 高田風人子選



        忘れ雪一誌にありし彼女の名

        (わすれゆき いっしにありしかのじょのな)
        2018年6月号 高田風人子選



        雛飾る手作りの遺句集も添へ

        (はつしぐれ ひびにでんわはするものの)
        2018年6月号 福神則子選

※ 2018年1月7日義母田島伸枝逝く。遺句集は義母が所属していた『天為』横須賀句会の松浦泰子さん他の諸氏の手による。


        啓蟄や菜園のある庵欲し

        (けいちつや さいえんのあるいおりほし)
        2018年6月号 福神則子選




  『雛』 2018年2月号


        母強し嬰をも負ひて秋の尾根

        (ははつよし ややをもおいてあきのおね)
        2018年2月号 高田風人子選



         一山を無事にくだりて社秋

         (いちざんをぶじにくだりて やしろあき)
         2018年2月号 高田風人子選



         初しぐれ日々に電話はするものの

         (はつしぐれ ひびにでんわはするものの)
         2018年2月号 福神則子選



 カテゴリーの“「雛」掲載句”をクリックすると、過去の全掲載句を一覧することが出来ます。


                月刊「雛」: 編集・発行人 高田風人子 福神則子
                発行所:   〒155-0033 東京都世田谷区代田6-9-10 雛発行所
                誌代:    月900円(年間10,800円)。

 ※ 「雛」の見本誌をご希望の方は上記発行所にご請求ください。
    (または、当ブログのコメント欄にその旨をお書き込みくだされば取次いたします。)
 ※ 「雛」は、長年高濱虚子、星野立子に師事し、ホトトギス本流の諷詠の道一筋に歩んで来られた高田風人子先生主宰の「惜春」の後継誌です。(「雛」主宰:福神則子先生)




 ご訪問ありがとうございました。


ブログランキング: 日本ブログ村  FC2
↓ よければ拍手・コメントをお願いします。励みになります。

テーマ : 詩・和歌(短歌・俳句・川柳)など
ジャンル : 学問・文化・芸術

プロフィール

渡邊むく

Author:渡邊むく
産業技術英語通訳・翻訳者。男性。岩手県生まれ宮城県育ち。人生の大半は首都圏暮し。海外生活約10年。俳句歴:2000年より。主な発信地:神奈川県横須賀市、山梨県山中湖村。

最新記事
カテゴリ
月別アーカイブ
最新コメント
リンク
検索フォーム
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR