冬花火
2018/12/09 Sun
(ひのあればすなわちかこみ ふゆはなび)
もの足りぬほどなるが良し冬花火 /むく
(ものたりぬほどなるがよし ふゆはなび)
電飾祭~山中湖花の都公園~ (2018.12.9 山中湖:山梨県) 天地創造 (The Creation)
by Kahlil Gibran (1883.1.6 – 1931.4.10)
訳・渡邊むく
神は自らの命を一つ分けて、美しい女を創られ、
その命に、あらゆる麗しさと優しさの祝福を注がれた。
神は、女に幸せを注いだ盃を授けて、こう戒められた。
「過去と未来を忘れ去らない限り、この盃から飲んではならない。
幸せは一瞬に他ならないものだから。」
また神は、女に悲しみを注いだ盃を与えて、こう諭された。
「この盃から飲みなさい。そうすれば、
生きる喜びの中で刻々と失われてゆく、瞬間の意味が解るだろう。
悲しみはいつ暮れなく充ちているものだから。」
神は、女がこの世に飽きて溜息を吐いたりすることがないように、愛を授け、
お世辞を言われて白けたりしないように、愛らしさを授けられた。
そして神は、女がいつも正しく生きてゆけるように、天の知恵を授け、
見えないものを見る眼を、女の胸の奥に入れ、
生きとし生けるものを愛し慈しむ心を、女の中に創られた。
また神は、天国の天使たちが虹の弦を紡いで織った希望の衣を、女に着せられた。
そして、女を生命と光の夜明けの先触れである混沌の闇の中にしまわれた。
それから神は、怒りの炎を燃やす炉から、乏しい残り火を取り、
無知の荒野から、干からびて息も絶えかけた風を取り、
勝手気ままに流れる河の岸から、角の立った砂を取り、
老いの山すそから、ささくれ立った粗土を取ると、
それらを混ぜ合わせて、男を創られた。
神は男に、欲望が満たされるまでは鎮まることのない
熱情を駆り立てる盲目の力を授け、死の亡霊の命を吹き込まれた。
その可笑しさに、神は涙を流してお笑いになった。
そして、男をいとおしく、また憐れに思われた神は、
男を手元に置いて自らの手で導くことにされた。
電飾祭~山中湖花の都公園~ (2018.12.9 山中湖:山梨県)
(2018年12月9日 山中湖にて)
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