MAKE YOURSELF AT HOME | ~ まあおたいらに~Make Yoursef At Home - Haiku Blog of Muku Watanabe | 渡邊むく俳句ブログ~まあおたいらに~ 2016年10月
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ささやかに耕し大き富士仰ぐ

すすき原 / すすき風 / すすき道

2016/10/22 Sat

    すすき原分け入つて富士見失ふ

         (すすきはら わけいってふじみうしなう)


 追記:原句「分け入つて富士見失ふすすき原」を推敲。(2016.10.27)


 富士山麓のすすき原 (2016.10.15 須山:静岡県裾野市)



    すすき風賢治の詩に鹿踊り

         (すすきかぜ けんじのうたにししおどり)


 追記:原句「穂すすきや賢治が詩に鹿踊り」を推敲。(2016.10.23)


    右に富士左に箱根すすき道 /むく

         (みぎにふじひだりにはこね すすきみち)



 すすき原と箱根連山 (2016.10.15 須山:静岡県裾野市)


           高原
                  宮沢賢治

    海だべがと おら おもたれば
    やっぱり光る山だたぢゃい
    ホウ
    髪毛
(かみけ) 風吹けば
    鹿
(しし)踊りだぢゃい


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秋の旅 / 秋の恋

2016/10/21 Fri

    ここに佇つだれもしあはせ秋の旅

         (ここにたつだれもしあわせ あきのたび)


 富士山 (2016.10.15 乙女第二駐車場:静岡県御殿場市)


 バイクを停めて佇むライダー。
 マイカーから降りて佇む家族連れ。
 ミニバスでやってきた中国人旅行者。
 みんな本当にうれしそうでした。



    幸せはお天気しだい秋の恋 /むく


         (しあわせはおてんきしだい あきのこい)


 追記:原句「しあはせもお天気しだい秋の空」を推敲。(2016.10.23)


 秋晴れ (2016.10.15 東山:静岡県御殿場市)



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秋ふる / 稲刈り

2016/10/20 Thu


 柿 (2016.10.15 東山:静岡県御殿場市)



    いそとせの秋ふる地熱発電所

         (いそとせのあきふる じねつはつでんしょ)


 秋田県にある「松川地熱発電所」は、今年10月8日で竣工50年を迎えたそうです。
 若き日にその設計に携わった友人のOさんが、交通も不便な八幡平の奥地にあるその発電所を訪ねて感慨に耽ったのは、5年前のことだったかと。
 過酷な環境の中で50年も稼動すると確信していた人は少なかったことでしょう。
 「機械は入れ替わっても、発電所はあと50年経っても元気でいられると思うよ」とOさん。
 先見の明を持っていた人々に、そしてOさんに、敬意を表しつつ。



 稲刈り (2016.10.15 東山:静岡県御殿場市)



    稲刈りも遅れるほどの雨今年

         (いねかりもおくれるほどのあめ ことし)


  「少し遅い稲刈りかと思いますが・・・」
 と、稲刈機を止めて畦に降り立った農家の方にお訊ねしました。
 「雨でぬかるんだ田に、なかなか機械を入れられなくて、遅くなっちゃったんです。」
 機械化農業にはそういう弱点もあるんですね。



    稲刈りも終ふと出湯に土地の人 /むく

         (いねかりもおうといでゆに とちのひと)


 先日の日帰り温泉でのこと。
 「お、もう来てたの?
 オレも早いけど、ずいぶん早いね。」
 「稲刈りも終わったし、することがないから。
 まぁ、稲刈りはただ車を運転してるようなもので楽なんだけど・・・その後の仕事も片付いたんで。」
 土地の人らしい二人の会話を湯の中で聞きながら、なんだか心もほっこりしました。



 稲刈り (2016.10.15 東山:静岡県御殿場市)



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新走り(あらばしり)

2016/10/18 Tue

    夕富士を眺めそれから新走り

         (ゆうふじをながめ それからあらばしり)


    新走り卒寿の母と仰ぐ富士
         (あらばしり そつじゅのははとあおぐふじ)   



 朝富士 (2016.10.15 東山:静岡県御殿場市)


 10月14日(金)。

 前の記事と順番が前後しましたが、東山の寓居に着くや、荷を解き、しばし残照の富士を。
 よく晴れていました。

 横須賀から、瓶が割れないように大事に持ってきた越乃寒梅「灑(さい)」を、少しでも早く飲み頃になるようにと、アイスバケットに氷を入れて冷やします。
 鴫立庵へ詣でるために快く無料で駐車場を貸してくださった
井上蒲鉾店で買ってきた、こりこりした上質の板蒲鉾も肴に。
 癖のない美酒は、まさに上善水の如し。

 至福の時間…Aさん、ありがとうございました。
 義母にも大層喜んでいただきました。
 (義母はほんの一口しか嗜みませんが。)

 写真の富士山は翌朝撮ったものです。
 ご覧のように、御殿場側からは頂上にも雪が見えません。



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星月夜(ほしづきよ;ほしづくよ)

2016/10/18 Tue

    星月夜二足並べる庭草履
         (ほしづきよ にそくならべるにわぞうり)   



 石蕗(ツワブキ)の花 (2016.10.15 東山:静岡県御殿場市)


 10月14日(金)。

 幸い、週末の天気予報は晴れ。
 御殿場インターを降りてから、スーパーで買い物をしてきたので、寓居に着いたのは日が落ちてから。
 美しい夕焼けでしたが、残念ながら手を離せず、写真は撮れませんでした。

 前日の13日は十三夜でした。
 豆名月、栗名月、後の月、名残の月、後の今宵などとも呼ばれますね。

    後の月鼬(いたち)に鯉をとられけり /鶴岡晋

    嵯峨ははや時雨ぐせなる十三夜 /鈴鹿野風呂

 5分も居るとそぞろ寒さの募るベランダで、少しの間夜空を眺めた今夜。

 まるで恋の句ですが、敢えてそれでよしとします。



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秋の虹 / 釣瓶落し(つるべおとし)

2016/10/18 Tue

    幻の太陽秋の虹のごと
         (まぼろしのたいよう あきのにじのごと)   



 幻日 (2016.10.14 東名高速道:足柄インター付近)



    幻日の果敢なきつるべ落しかな
         (げんじつのはかなき つるべおとしかな)   


 10月14日(金)。

 ある方のブログで同じような場所で撮った秋の虹の写真を拝見しました。
 その記憶もあって、一瞬「虹かな」と思いましたが、天体観測にも詳しいガンコちゃんから「幻日」だという指摘。
 よく見るとだいぶ西に傾いた太陽と同じ高さのようです。
 普通、幻日は太陽から22度離れた位置に見え、太陽側が赤く見えるのだそうです。
 いくつも見える場合もあるようです。
 木立の影に隠れた太陽の右側にも見えていたかもしれません。

 今年の夏にも、箱根で同じような現象を見ましたが、あれは太陽とは高さが違っていましたから、彩雲だったかも。
 気を付けていれば、こうした天体現象は容易に見ることができるのかもしれません。



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秋麗(あきうらら)

2016/10/18 Tue

    大津絵の鬼も仏も秋うらら
         (おおつえのおにもほとけも あきうらら)   



 河口邦山大津絵展 (2016.10.14 鴫立庵:神奈川県大磯町)


 10月14日(金)

 鴫立庵の一室に所狭しと並べられた大津絵。

 「確か芭蕉にも大津絵を詠んだ句があったと思うんですが、思い出せません。」
 投句用紙入れから義母の分と自分の分の2枚の短冊を取りながら、そばにいた方に呟くように話しかけた。
 見ず知らずののその人に話しかけたのは、その作務衣姿から、このイベントに関係しておられる方だろうと察したからだ。
 「芭蕉には「大津絵の筆のはじめは何仏」という句があるようですね。」
 私のつぶやきごとに如才なくそう答えられた、その方こそ大津絵の絵師
河口邦山さんだと、お話をしているうちに知れた。

 とても気さくな方で、大津絵の歴史や主題などを親切に教えてくださった。

 「それにしても大きな番傘ですね。」
 「この番傘はね、古道具屋が要らないというのでタダで貰ってきたの。
 向こうに並んでいる野点傘とは造りが違うんだよね。
 野点傘には端折りがあるけど、番傘にはそれがない。」

 なるほど、と頷きながらお話をお聴きする。

 その野点傘の下で真剣に句を詠む母。
 私はいつものように「なんとかなるさ」でのんびり。
 適当に詠んだ句を、受付の女性に案内されて投句箱へ。

 「ご投句は庵主の鍵和田袖子(かぎわだ・ゆうこ)さんが自ら選句して、来年の今頃には入選句が発表されます。
 入選の方には事前にお知らせが届きます。」
 しまった!
 もう少しマジメに詠むべきだった…。



 大津絵の大番傘 (2016.10.14 鴫立庵:神奈川県大磯町)



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鴫の秋(しぎのあき)

2016/10/17 Mon

    随ひて一庵に立つ鴫の秋
         (したがいていちあんにたつ しぎのあき)  



 西行法師歌碑 (2016.10.14 鴫立庵:神奈川県大磯町)


 10月14日(金)。

 横須賀から御殿場へと向かう道中、いつもその前を通り過ぎる大磯の鴫立庵(しぎたつあん)に、初めて立ち寄らせていただきました。
 京都市嵯峨野の落柿舎(らくししゃ)、滋賀県大津市の無名庵(むめいあん)と並ぶ俳諧三大道場の一つと言われていることはかねがね承知していながら、駐車が不便であることなどを理由に、足を運ぶのを今日まで先延ばしに。
 これで句歴15年だというのですから、汗顔の至りです。
 義母のお伴をすることがなければ、気にはしつつも、今日もいつも通りに素通りしていたことでしょう。



 鴫立沢 (2016.10.14 鴫立庵:神奈川県大磯町)


    心なき身にもあはれは知られけり鴫立つ沢の秋の夕暮れ /西行法師

 有名な歌ですね。
 はっきりとはしていないようですが、秋の夕暮れを詠った和歌「三夕(さんせき)」の一つに挙げられるこの歌の「鴫立つ沢」はこの辺りということになっています。
 初代大江三千風(おおえ・みちかぜ)以来、代々受け継がれてきた鴫立庵の庵主は現在22世を数えています。
 現庵主は鍵和田秞子(かぎわだ・ゆうこ)「未来図」主宰。
 初代女性庵主は鈴木芳如(すずき・ほうじょ:第18世)。

 


 俳句道場 (2016.10.14 鴫立庵:神奈川県大磯町)


    大磯に一庵のあり西行忌 /草間時彦(くさま:ときひこ:第21世庵主)

 西行忌は旧暦2月16日。

    願はくは花の下にて春死なむその如月の望月のころ /西行法師

 西行は、この歌の通りに、その如月の満月の日に亡くなったことでも知られています。

    花あれば西行の日とおもふべし /角川源義(かどかわ・げんよし:角川出版創業者)

 下の写真正面のお堂には西行像が安置されているそうです。



鴫立庵 (2016.10.14 神奈川県大磯町)



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秋蝶(あきちょう)

2016/10/14 Fri


 アサギマダラ (2016.10.02 富士山麓:静岡県富士宮市)



 にわかに寒くなってきた
 凍土の大陸の下で 今日
 またもや マンモスの群が
 密談をはじめたからだ

 見くびっちゃダメってことさ
 たとえ きみが
 村長が自殺した河野村を
 知らなかったとしても

 一気に寒くなってきた
 ジェット気流に乗って 今日
 秋蝶の 星条旗の群が
 沖縄へと発ったからだ

 見くびっちゃダメってことさ
 たとえ きみが
 死者の血で染まった井戸水を
 汲んで 飲めるとしても



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新走り(あらばしり)

2016/10/13 Thu


 越乃寒梅「灑(さい)」 (2016.10.10)



    土産とて幻と聞く新走り

         (みやげとて まぼろしときくあらばしり)


    新走り卒寿の母と交はすべく

         (あらばしり そつじゅのははとかわすべく)


 舞台が廻って…。


    宇治に来て「ゆめみず」と云ふ新走り

         (うじにきて ゆめみずというあらばしり)


    新走り宇治十帖を語らひつ

         (あらばしり うじじゅうじょうをかたらいつ)


    その恋の夢のごとくに新走り /むく

         (そのこいのゆめのごとくに あらばしり)


 新走りは新酒のことで、今年酒とも言い、秋の季語です。

 蔵元の石本酒造が45年ぶりで今年発売した新しい「越乃寒梅」を、日本酒が好きな私のためにわざわざ。
 越後美人のAさん、お気遣いありがとうございます。

 案の定、三句以降についてはガンコちゃんの厳しい追及を受けています。



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プロフィール

Muku Watanabe-渡邊むく

Author:Muku Watanabe-渡邊むく
Together with my wife, I enjoy a quiet new life living in Hadano City located at about halfway between Tokyo (East) and Mt. Fuji (West). My wife loves watercolor painting and I love haiku composing, and both she and I love birding and photography.

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