渡邊むく俳句ブログ~まあおたいらに~渡邊むく俳句ブログ~まあおたいらに~ 2015年02月
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雪渓の細き一条富士の紺

三浦富士 (4)いぬふぐり

2015/02/19 Thu


2015.2.15 いぬふぐり (津久井:神奈川県三浦市)


     いぬふぐりの御句この花より多く /むく


 津久井浜駅はちょっとした観光地の駅のようです。
 小さな駅前広場の片隅には、トレッキングシューズを履いて三々五々かたまるように集まり、仲間の到着を待っている人々。
 列を作って、観光いちご農園行きの送迎バスを待つ人々。
 みかんの頃はみかん狩りをする人、夏は磯で遊ぶ人々で賑わいます。

 ガンコちゃんが到着。
 ゴミが付かないようにと、透明の小さなビニール袋に入れてきてくれたSDカードを受け取り、再び三浦富士に向かって出発。
 先日登った武山へ行く道とは別の道。

 私の靴は履き心地がしっくりきません。
 右足の外側のくるぶしが当たるのです。
 ちょっと痛いので、靴の生地を引っ張ったり、紐を緩めたり…。

 広い道から農道に入り、春キャベツの畑を見ながら行くと、みかん園が広がる斜面に。
 黄金色の蜜柑がたわわに実っている頃は、絶好の撮影スポットだったことでしょう。
  
 道の傍らにはいぬふぐり、ほとけのざ、たんぽぽ、すみれぐさ。
 もう後戻りしない春を迎えたことを告げる野の花々。

 この頃は、特にいぬふぐりに思いが去来します。
 風人子先生の花として。

 「いぬふぐりどこにも咲くさみしいから」の御句は、朝日新聞俳壇の虚子選雑詠に初めて採ってもらったという、先生にとって特別に思い出の深い句。
 以来、先生はいったいいぬふぐりの句を幾つ詠まれたことでしょう。
 2百?3百?
 いや、もっと多いような気がします。

 今でも毎年、いぬふぐりの句は必ず何句か詠んでおられます。
 最近は、「先生がいぬふぐりの句を詠んでおられる時は生涯の師である虚子に話しかけておられる時」なのだと思うようになりました。



     諷詠の一本の道いぬふぐり /むく



2015.2.15 ほとけのざ (津久井:神奈川県三浦市)

 ほとけのざも可愛い花です。
 ヒメオドリコソウより踊り子らしい…と。

 木の根道と急な階段を登ると、標高183メートルの低山とはいえ、思ったより呆気なく三浦富士山頂に着きました。
 山頂には子供連れの人なども。

 おにぎりをほお張りながらガンコちゃんと相談した結果、砲台山、武山への縦走はしないことに。
 ここに登ってくるまで、時間だけはたっぷりかかっているので。


2015.2.15 三浦富士山頂より津久井浜・三浦海岸方面を望む (津久井:神奈川県三浦市)

 帰りは、長沢という津久井浜より一つ久里浜寄りの駅に出ることに。
 斜面が違うと、景色も違って見えるものです。

 枯れた葉や蔦の立姿が面白いと言ってはカメラを構える私に、ガンコちゃんの喝。
 「春なのに、枯れたものばっかり撮らなくてもいいでしょ!」

 家までSDカードを取りに行ってもらった手前、返す言葉がありません。
 枯れ蔦の写真は諦めて、後を追いかけます。



2015.2.15 大根 (津久井:神奈川県三浦市)


     茎立ちてただ一本の太大根 /むく




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三浦富士 (3)風光る

2015/02/18 Wed


2014.3.31 春の海 (鴨居浜:神奈川県横須賀市)

 海岸通りの「津久井浜駅入口」と書かれた信号のすぐ傍に、おそらくは5階建ての、それほど大きくはないマンションが二棟並んでいます。
 一つは私の友人の一人が住んでいる建物。

 もう一棟の建物の1階に、パン屋があるのを見つけました。
 正確に言うならば、見つけたのはパン屋の前に置かれた椅子とテーブルです。
 店の看板には「
溶岩窯パン工房ブロートバウム」という看板が出ていて、「ホットコーヒー」の貼り紙も。

 表のテーブルでは、犬を連れたご婦人がコーヒーを飲んでいました。
 見ると、テーブルはもう一つあって、そこは空いています。
 よし、私も日向ぼっこしながらコーヒーを飲むか…。

 小さなパン屋さんですが、並べられているのは全て自家製のパン。
 5、6人いる店員さんたちが、みな忙しそうに動き回っています。
 なかなかの繁盛店のようです。
 看板の「溶岩窯」らしい、素焼き煉瓦を組み併せたような模様のパン焼き窯が、来客の目に触れる一角に置いてあって、店内に小洒落た雰囲気を添えています。
 
 チーズの入ったパンを1個、トングでトレーに取って、レジのほうへ。
 ふと、レジの若いお姉さんの視線が、私のトレッキングシューズに注がれたような…。

 「コーヒーもお願いします。」
 「お砂糖とクリームは?」
 「両方お願いします。
 健康的じゃありませんけど、両方入れないとどうも…。」
 「私は反対。
 でも、たまに入れて飲みたくなります。」
 「両方?」
 「いえ、クリームだけ。」
 「クリームは入れたほうが胃にやさしいかもしれませんね。
 砂糖はあんまり体に…。
 さっきもお汁粉を飲んできたばかりなのにね。」

 「…袋に入れますか?」
 「いえ、そのままで…お店の前の椅子に座って頂きますから。」
 「今日は暖かいですから…海も閑かで。」
 「あ、山に登りに来たんです。」
 「えっ?」
 「でも、カメラのSDカードを家に忘れてきてしまいまして。」
 「で、諦めた?」
 「いえ、いまカミサンに取りに行ってもらっているんです。」

 プラチナのようにまばゆい海を見ながら、パンとコーヒーを。
 ふと、友人に電話をしてみようか…と思い立ちましたが、止めることに。
 あまり時間がないこともありますが、天気の良い休日のこの時間に、部屋でおとなしくしている筈がない…と。

 というのも、友人は
プロ資格を持つウィンドサーファーで、ワールドカップにも出場したほどの腕前の持主。
 私より一世代は若い彼が、東京からも横浜からも遠く、通勤には不便と言っても良いこの津久井浜に住んでいるのは、ここがウィンドサーフィンのメッカのような場所だから。
 さすがに、第一線級の大会で競技することは寄る年波との闘いとなってきたか、最近では活躍の場をマスターズに移しつつあるようですが。


     風光る一つは友の帆なるべし /むく


 さて、そろそろガンコちゃんが帰ってくる頃。
 再合流しに、駅へ迎えに行かなくては。


 (つづく)




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三浦富士 (2)春の潮

2015/02/17 Tue


2014.3.25 春の渚 (三浦海岸:神奈川県三浦市)

 ガンコちゃんを津久井浜駅に見送り、「じゃあ、海岸に行って一句ものにしてくるよ」と言い残してから、渚へと。

 風が光る海には、今日も大勢のウィンドサーファーが。
 写真を撮りたくても、カメラがただの重たい箱になっては所在なし。

 辺りを見回すと、護岸の浜に水産加工品を作る小屋があって、その前に若布が干してありました。
 そうか、三浦海岸の若布漁は消えてしまっても、すぐ隣の津久井浜では今でも漁が続いているんだ!
 いや、ひょっとすると、三浦海岸だってまだ続いているのかもしれない…。

 「父が押し子が捲き上げる若布刈(めかり)」の句を授かったのは、俳句を始めてまだ間もない2001年、今から15年前のこと。
 まだ横須賀に越してくる前で、仕事で三浦海岸のホテル「
マホロバマインズ」に小一年逗留した時のことでした。

 去年の春にカメラを買い替えた時に、どうしてもその景色を撮りたくて三浦海岸にやってきたのですが、釣りをしていた人から、この浜の若布漁は絶えてすでに久しいようだという話を聞き、ガッカリして帰ったのです。

 手拭を姐さん被りにしたオネエさんが、若布を干しに小屋から出て来ました。
 ちょうどいい、ちょっとお話を伺ってみよう…。

 「若布漁は朝が早いのよ。
 刺身で食べる生若布を出荷する時は、市場が7時からなので、8時頃には舟が帰ってこないと間に合わない。
 干す若布でも、9時頃には帰ってくるよ。」

 確かに、私が三浦海岸で見たのも、午前9時を少し回った時刻だったと思い出します。

 「…その時、いま思い出しても失礼なほど、漁師さんにバカな質問をしましてね。
 "これは昆布ですか、若布ですか?"
 "え、若布って緑色しているんじゃないんですか?"
 漁師さんがブスッとしたまま一言、"茹でないと緑にならないんだよ"って。」

 あまり姐さん被りのオネエさんの邪魔をしてもと、切り上げて退散。
 若布漁が続いているうちに、必ずもう一度来よう。。。
 オネエさんの話だと、三浦海岸の漁も、今でも続いているようです。
 俄かに嬉しくなりました。

 三浦半島の西海岸でも若布は養殖されていますが、私が撮りたいのは東海岸。
 なかんずく、三浦海岸があるこの北下浦の浜。
 三陸でも鳴門でもなくて。
 思い出って、そういうものだ…と。


     春の潮何かを見つめ鷗立つ /むく


 (つづく)




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三浦富士 (1)茎立(くくだち)

2015/02/16 Mon


2015.2.15 ブロッコリの花 (津久井浜:神奈川県三浦市)

 日曜日、登山靴の試し履きにと出かけた先は、三浦富士という低山。
 ガンコちゃんと、京急久里浜駅から電車に乗り、津久井浜という、三浦海岸の一つ手前の駅で下車。
 まずはこれからのエネルギーの消耗に備えて、駅の自動販売機で「おしるこドリンク」を買って一気飲み。
 と、そこまでは良かったのですが、カメラにSDカードが入っていないことに気付きました。
 またやってしまった・・・。

 「よし、引き返そう。」
 「私が取りに行ってくるわよ」とガンコちゃん。

 「え、自分で行くよ。」
 「だめ、ムクちゃんが行ったら途中で写真に夢中になって、いつ帰ってくるか分からないから。」

 それもそうだ・・・と納得。
 何しろ、カメラを持って近くのコンビニにタバコを買いに行ったきり、半日帰ってこなかった前科も、一度ならず・・・。

 結局、ガンコちゃんに取りに行ってもらうことに。

 「その辺で時間つぶししていてちょうだい。
 1時間はかかるわよ。」

 あぁ・・・よく出来たカミサンだ。


     団塊の世代か茎立の花も /むく


 (つづく)




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まんさくの花

2015/02/16 Mon

2015.2.14 多肉植物
2015.2.14 まんさくの花 (東慶寺:神奈川県鎌倉市)

 今年のまんさくの花。
 同じ場所の同じ木ですから、去年撮ったのとほぼ同じ写真です。


2015.2.14 多肉植物
2015.2.14 まんさくの花 (東慶寺:神奈川県鎌倉市)

 みちのくの花という印象の強い花ですが、不思議と子供の頃に見た記憶がなく、あまり馴染みがありません。
 句を詠んだことがないのも、そのため。
 良い花だと思います。
 そのうち詠めるようになるでしょうか。




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2015/02/15 Sun

2015.2.14 多肉植物
2015.2.14 しら梅 (東慶寺:神奈川県鎌倉市)


     流行とは百年のちの春のこと /むく


 今日は、先日買った登山靴の掃き試しに山歩きを。
 写真は昨日、鎌倉で。

 少し疲れたので、今日は早寝を。

 明日からまた忙しい一週間。
 力を温存するために。




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あたたか

2015/02/14 Sat


2015.2.14 ヴェルニー公園 (神奈川県横須賀市)


2015.2.14 シクラメン (ヴェルニー公園:神奈川県横須賀市)


     鎌倉に来て横須賀のあたたかし /むく


 カメラを持って、朝一番に予約しておいた歯医者に行ったあと、そのまま鎌倉へ。

 期待していた東慶寺の赤花三椏(あかばなみつまた)は、まだ蕾すら目立たず、白(黄色)い三椏の蕾も開くにはまだ間がありそうでした。
 くりはま花の国の三椏は、もう咲いているに違いありませんが。

 横須賀の、特に東京湾に面した一帯は本当に暖かく、雪が積もることは滅多にありません。
 降ることさえ。
 電車や車で横須賀から横浜に向かうと、一つ二つトンネルを抜けたら突然雪景色なんていうことが、実際によくあります。

 鎌倉が寒く感じられるのは、訪ねる主な神社仏閣の多くが谷戸にあるからだけではなく、街が相模湾にほぼ直接面しているからでもあると思います。
 湾とは言いながら、相模湾は外海も同然で、冬は風が冷たい灘。
 暖かい横須賀に住んでいる者の目に、冬の鎌倉が、冷たい灘風と「箱根おろし」と呼ばれる西風に晒される寒い町、と映る所以です。

 横須賀がある三浦半島も、相模湾に面した逗子や葉山があるその西側は、東京湾側に比べると、冬ははっきりと寒く感じられます。
 言い換えれば、横須賀の東京湾側の街々はそれほど暖かいということになります。



2015.2.14 JR横須賀駅の駅舎 (神奈川県横須賀市)

 
 JR横須賀駅は、横須賀線が久里浜まで延長された昭和19年まではその終着駅で、海軍の町横須賀の表玄関としての役割を担う駅でした。
 現在では、京急線横須賀中央駅周辺が横須賀の一番賑やかな繁華街になっています。

 JR横須賀駅の改札を出ると、すぐ目の前にヴェルニー公園があります。
 市民の憩いの場として親しまれている、5月には薔薇が殊のほか美しいこの公園は、旧海軍の埠頭だった場所。
 一番上の写真の手前に見える二つのレンガ壁の建築物は、その旧海軍埠頭の衛兵詰所だった施設。
 そこが埠頭の入口だったのでしょう。
 一般人の立入りが厳重に規制されていたことを物語る遺跡です。


     春浅し埠頭に衛兵詰所跡 /むく


 JR横須賀駅が登場する文学作品に、芥川龍之介の短編小説「蜜柑」があります。
 小説というよりは、少し長いエッセイといった感じがする作品です。
 この作品を発表した大正8年(1919年)当時、龍之介は鎌倉に寄宿し、横須賀の海軍機関学校で、嘱託の英語教師として教鞭を執っていました。
 海軍の学校でありながら、龍之介は、学生たちに対して「戦争で人殺しをするのは馬鹿げている」と発言するなど、江戸っ子らしい気骨を示す言動で物議を醸すこともあったようです。

 その
「蜜柑」を読める青空文庫をリンクしておきます。

 海軍機関学校またはその一部は、現在の神奈川歯科大学の敷地内にあったと思われます。
 春は桜が美しく、夏には、訪れる人を色涼やかな
ジャカランダの花が迎えてくれるキャンパスです。

 鎌倉の花の写真はまた後ほど。




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ヴァレンタイン・イヴ

2015/02/14 Sat


2015.2.14 ヴァレンタイン・デーのチョコレート売場 (大船駅:神奈川県鎌倉市)


   ヴァレンタイン・イヴ明日は歯医者の通院日 /むく


 今のところ治療する歯はありませんが、月に1回はクリーニングに。
 歯が悪くなったのはチョコレートを貰ったり贈ったりした罰?
 遠い昔のことですが。




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雪の音

2015/02/13 Fri


2014.3.7 雪中梅 (湯河原梅林:神奈川県湯河原町)

 昨日に続いて、今日も冬の北海道編です。


     大玻璃戸気になる軒の大氷柱


 玻璃(はり)は硝子の別称、氷柱の読みは「つらら」。


     大つらら玻璃戸破るも泰然と


     赤屋根の丘の講堂深雪晴れ


     御歳に似ず巧みなる雪さばき


     大雪の旭岳よと息白く


     蝦夷松のひと枝落とす雪の音 /むく




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アスパラガス

2015/02/12 Thu


2014.2.11 梅 (東慶寺:神奈川県鎌倉市)

 なぜか、今日は北海道へ行った時のことが思い出される日でした。
 季節が逆行しますが…。



     旭川行きが千歳へ吹雪とや


     千歳着たちまち凍り立つ鼻毛


     ライラック号なる列車雪しまく


     北国の温めたという冬ビール


     白菜は南瓜の種で和えました


     きみ知るやアスパラガスのおろの味 /むく


 最後の句は春に旅した時のことを。
 「おろ」(疎)とはひこばえのことで、生育を良くするために間引かれます。
 間引きのことを「おろぬき」と言ったりもします。
 三浦大根のおろぬきはちょっと有名…かな。




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プロフィール

渡邊むく

Author:渡邊むく
産業技術英語通訳・翻訳者。男性。岩手県生まれ宮城県育ち。人生の大半は首都圏暮し。海外生活約10年。俳句歴:2000年より。主な発信地:神奈川県横須賀市、山梨県山中湖村。

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