Moon Over Water - Updated: September 17, 2018

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花野行くディズニーランドを行くごとく

曼殊沙華(まんじゅしゃげ)

2018/09/19 Wed

    曼殊沙華うなづく母の遠い耳

        (まんじゅしゃげ うなづくははのとおいみみ)


    曼殊沙華妣と語りに帰らねば /むく

        (まんじゅしゃげ ははとかたりにかえらねば)



 曼殊沙華 (ストック写真より)


 秋彼岸

 実母も義母もいなくなってしまった。
 時に無性に寂しくなるのは、自分も先がそう長くなくなってきたからか。
 幾つになっても男はマザコンと云う。
 それも本当っぽい。

 秋彼岸。
 一度、横須賀に帰らなくては。



 曼殊沙華 (ストック写真より)


 (2018年9月19日 山中湖にて)



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鳥兜(とりかぶと)

2018/09/18 Tue

    鳥兜はしやいで行きし五六人 /むく

        (とりかぶと はしゃいでゆきしごろくにん)



 トリカブトの花 (2018.9.16 山中湖村:山梨県)


 トリカブト

 句は旧詠。
 横須賀に居て、武山(たけやま)という見晴らしの良い低山に、鷹の渡りを観に登った日に詠んだ。
 4年ほど前になるだろうか。
 大秋晴(おおあきばれ)に恵まれ、三浦半島の突端になる城ヶ島や、その先の海の彼方の伊豆大島まで良く見えた。

 尾根道ですれ違ったハイキングの女性たちの一人から訊ねられて、「それはマムシグサですの実です」と答えた。
 マムシと聞いて一瞬たじろいだ女性の表情は面白かった。
 驚かすつもりは毛頭なかったのだが。

 「あっちにトリカブトが咲いていましたよ」とお教えした時の女性たちの反応は、マムシグサ以上に面白かった。
 一瞬しーんと静まって声がなかったが、すぐに興味津々、足早に、そして賑やかに、教えた場所のほうへ向かって立ち去った。
 ああいうのも「怖いもの見たさ」になるのかも。

 ・・・こんな話、女性には享けないだろうなぁ。
 ヒンシュクもの、かも。

 女性に限らず、人間はなぜ怖いものをわざわざ見たいと思うのか?
 それを考えてみるのは面白そうだ。
 怖いとはいっても差し迫った危険はあるまいという安心感があるから、のような気はする。

 もうだいぶ前のことになるが、トリカブト入りカレーライス殺人事件というのがあった。
 あの事件以後、トリカブトには毒婦のイメージが強くなった…とは言い過ぎと思うが、油断召さるな、ご同輩!


 あぁ…やっぱりヒンシュクものだ。





 トリカブトの花 (2018.9.16 山中湖村:山梨県)


 (2018年9月18日 山中湖にて)



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2018/09/17 Mon

    不自由に暮らして自由山廬秋 /むく

        (ふじゆうにくらしてじゆう さんろあき)



 花野 (2018.9.16 山中湖村:山梨県)


 山蘆の秋

 近くにいてもなかなか富士山が見えないほど、このところ雨の日が多い。
 それでも、日に日に秋めく季節は楽しい。
 台風の大風で窓の外の林の樹々はずいぶんと葉を落とし、視界が開けて景色が明るくなった。
 茂りの夏に比べると、小鳥の姿も見やすくなった。
 色づき始めた落葉樹が、はらはらと葉を落とし続ける。
 今夜は落葉松(からまつ)の高い樹上に星も見えている。

 コーヒーカップを手にバルコニーに出ると、昼はよく栗鼠(りす)の姿を見かける。
 重力などないような身軽さで一気に木を駆け上り、枝から枝へ飛び移る。
 シマリスでないのは残念だが。

 夜は鹿の足音が聞こえたり、むささびが飛ぶのが見えたりもする。
 昨夜も何かが飛んだ。
 むささびかと思ったが、ひょっとすると梟(ふくろう)だったかもしれない。

 ある夜は猪(いのしし)が来て、豚のような甲高い声で啼いていたことがある。
 鹿やむささびは歓迎だが、猪はちょっと…。
 熊がやって来た形跡はない。
 しばらく前、近くの峠には出たという話だが。

 野はまさに花野。
 秋あざみや釣舟草(つりふねそう)に混じって、鳥兜(とりかぶと)の花も盛りを迎えた。
 鳥兜は半日陰を好むようだ。
 下草が刈られた林によく咲いている。
 あんまりたくさん咲いているので、驚いた。
 横須賀ではなかなか見られない花だから。
 根だけでなく全草が毒だというので、触らないことにしている。

 標高千メートルの山中湖には、蛇はほとんどいないようだ。
 ジムグリだとかヤマイコラだとか呼ばれる変てこな蛇が少しはいるようだが、まだ遇ったことはない。
 蛇が少ないせいか、御殿場や箱根と違って雉がほとんどいない。
 観光関連産業に従事する人が増加し、厳しい気候に抗(あらが)って田畑を耕す人がいなくなったためでもあるだろう。
 今でも田畑が元気な忍野(おしの)村では、子雉が親の雉の後についてぞろぞろと道を渡る光景を見た。

 三連休で、寓居のあるリゾートマンションはまた人が多くなった。
 雨の日は親子でビリヤードを楽しんだり、ジムで汗を流す人もいる。
 いつもは貸切り状態に近い大浴場に、昨夜は3人も先客がいた。

 不便を感じたり退屈したりすることは、今のところない。
 百室以上あるリゾートマンションは、戸建の別荘より過ごしやすい面があるように思う。
 リゾートマンションも、現代的には一つの山蘆と言えるだろうか。

 不便はないが、今日は仕事の追い込み日。
 遊ぶことをセーブしなければならない日が、9月いっぱいは続きそうだ。
 やれやれ…。

 夜が明けてきた。
 これからひと眠り…おや、美しい茜空(あかねぞら)だ!


 (2018年9月17日 山中湖にて)



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秋の薔薇

2018/09/16 Sun

    彼ならばやりさう畦に秋の薔薇 /むく

        (かれならばやりそう あぜにあきのばら)



 秋ばら (2018.9.13 御殿場市:静岡県)


  季題の本意本情

 季題にはそれぞれ本意本情がある、と学んだ。
 薔薇は初夏に最も盛んに咲く。
 秋の薔薇、冬の薔薇は、その夏の薔薇とは趣が違う。
 秋の薔薇は秋らしく、冬の薔薇は冬らしく詠むことが肝要となろう。

    秋の薔薇悲しきことは口にせず /むく(旧詠)

 秋だから薔薇も寂しく詠まなけてはいけない、というのではない。
 秋らしさ、冬らしさを何にどう見出すか。
 それに思いを巡らせて句を詠むことが季題の本意本情に沿う道、と思う。
 それがなかなか難しい。


 (2018年9月16日 山中湖にて)



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秋燕(あきつばめ)

2018/09/15 Sat

    気付かざるうちに去りし日秋つばめ /むく

        (きづかざるうちにさりしひ あきつばめ)

 追記: 元の句「去りし日はいつも気付かず秋つばめ」を推敲。(2018.09.16)



 秋明菊(しゅうめいぎく) (2018.9.12 山中湖:山梨県)


  秋燕(あきつばめ)
 言うまでもなく、燕は春に東南アジアから渡ってくる旅鳥である。
 日本で営巣し繁殖して、秋になると子燕を連れてまた南の国へと旅立つ。

 珍味とされている「燕の巣」はアナツバメの巣だが、この燕は日本には飛来しないようだ。
 日本にやって来る燕は、普通、泥と枯草を材料に巣を作るので、食用にはならない。

 山中湖にも燕が多く渡来する。
 水田はないが、湖畔に豊かな泥があるせいかと思う。

 夏の間、あんなにたくさん群れ飛んでいた燕は、いつ飛び立ったのだろう。
 秋の気配が濃くなってきたある日、林の上をひと際目立つほどたくさんの燕が飛び交っていた。
 方向を変えるたびに、日を浴びた翼の白い内側が金色に輝いた。
 秋燕の群が旅立つ姿を見たことはないが、あれはその兆しだったのか。



 釣舟草(つりふねそう) (2018.9.12 山中湖:山梨県)


 (2018年9月15日 山中湖にて)



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秋 / 栗

2018/09/14 Fri

    秋の子にかつて名刀肥後守

        (あきのこに かつてめいとうひごのかみ)


    柴栗の苞のロベルタ・ディ・カメリーノ

        (しばぐりのつとの ろべるた・でぃ・かめりーの)


    ここに置けば剥いてくれるや栗の苞

        (ここにおけばむいてくれるや くりのつと)


    栗飯や久しぶりなる普通食 /むく

        (くりめしや ひさしぶりなるふつうしょく)



 山栗 (2018.9.12 山中湖:山梨県)


  栗(くり)
 山栗は柴栗(しばぐり)とも言う。
 子供の頃は柴栗と呼んでいたように思う。
 もっとも、栗と言えば山で拾ってくるものに決まっていて、丹波栗という立派な栗があることなどは毛頭知らなかった。
 粒は小さいが山栗も美味である。

    虚栗ふめば心に古俳諧 /富安風生

 虚栗(みなしぐり): 江戸前期の俳諧撰集。2冊。宝井其角編。天和3年(1683)刊。芭蕉および蕉門のほか、貞門・談林に属する俳人の発句・歌仙などを収録。蕉風確立に至る過渡期の撰集。(「デジタル大辞泉」より。)
 掲出の風生句は、実が飛び出して空っぽになった栗の毬(いが)を、この撰集の名前に掛けて詠んだもの。


 (2018年9月14日 山中湖にて)



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豊の秋

2018/09/13 Thu

    軽トラック現はる豊の秋を漕ぎ /むく

        (けいとらっくあらわる とよのあきをこぎ)



 豊の秋 (2018.9.13 御殿場市:静岡県)



 大棚田 (2018.9.13 御殿場市:静岡県)


 雨が上がった昨日は、気温が一気に下がった。
 最高気温が17℃以下、最低気温は12℃。
 今日は昨日よりは暖かくなりそうという予報だったが、10℃まで冷え込んだ。
 山梨県内の全市町村の中で、山中湖は最も寒いところだそうだ。

 今日は午前中所用があって、篭坂峠を越えて御殿場へ。
 東京の吟行会の日だが、所用と重なり、また出席が叶わず。

 山中湖に比べると、御殿場は嘘のように暖かい。
 棚田の稲刈りが始まろうとしていた。
 春に菜の花の写真を撮った辺りにしばらく佇んで豊の秋を見渡す。

 富士山は雲に隠れていたが、道志や箱根の連山がよく見えた。
 御殿場から乙女峠、金時山と登って、箱根まで歩いたことなどが懐かしい。

 御殿場の旧居は、今日で売却が完了した。
 順調に片付いたことを良しとする。



 コスモス (2018.9.13 御殿場市:静岡県)


 (2018年9月13日 山中湖にて)



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えごの実

2018/09/12 Wed

    えごの実のたわわ山雀来るを待つ /むく

        (えごのみのたわわ やまがらくるをまつ)



 眼白(めじろ) (2018.8.15 山中湖:山梨県)



 山雀(やまがら) (2018.9.6 山中湖:山梨県)



 山雀(やまがら) (2018.9.6 山中湖:山梨県)



 鵯(ひよどり) (2018.9.5 山中湖:山梨県)



 四十雀(しじゅうから) (2018.9.10 山中湖:山梨県)


 掲句は旧詠。
 えごの実の写真はない。
 山中湖ではあまり見かけない木だ。
 どこかで見かけたが、場所を思い出せないでいる。

 横須賀では心待ちにしていた山雀(やまがら)だったが、山中湖の寓居では、四十雀(しじゅうから)同様に毎日何度となく窓辺に現れる。
 が、また山雀か…などと思うことはない。
 というのも、山雀もカラ(雀)の仲間で、眼白(めじろ)、小啄木鳥(こげら)、柄長(えなが)などと群れてやって来ることが少なくないからだ。
 四十雀や山雀が現れたら、好きな柄長も現れる可能性が高くなる、という訳である。
 時には赤啄木鳥(あかげら)までやって来ることがある。
 まったく目が離せない。
 
 雨のあがった今朝は、散歩で通った林道にも野鳥が多かった。

    好きな鳥好きな樹に来て秋日濃し /町春草

 掲句は庭木にやって来る野鳥を詠んだものかと思う。
 平明で、音楽性と呪文性の豊かな佳句。
 作者の町春草(まち・しゅんそう 大正11~平成7[1922~1995]年)さんは書家として活躍された方である。
 銘菓「ひよ子」をご存知の方は多いと思うが、今も商標として使われているあのやさしい「ひよ子」の文字を書いた人でもある。

 今春他界した義母の最初の俳号は「ひよ子」だった。
 書は義母の生涯の伴侶の一つだった。
 義母に訊ねたことはなかったが、俳号を「ひよ子」としたのは、「駆け出し」という謙遜の他に、春草さんの「ひよ子」の字が好きだったからでもあったのではないか、と思っている。


 (2018年9月12日 山中湖にて)



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秋気(しゅうき)

2018/09/11 Tue

    富士に灯の絶えて即ち秋気満つ

        (ふじにひのたえて すなわちしゅうきみつ)


    秋気満つ日々に親しきけものたち /むく

        (しゅうきみつ ひびにしたしきけものたち)







 栗鼠(りす) (2018.9.11 山中湖:山梨県)


 そぼふる雨の一日。
 それでも窓辺には小鳥たちの姿が。
 目にしたのはコゲラ、アオゲラ、アカゲラ、ヤマガラ、シジュウカラ、メジロ、ヒヨドリ。
 目にしていないだけで、他にもいくつかの野鳥が来てはいるのだろう。
 栗鼠(りす)や鹿の姿も。
 自然界の掟は厳しいものだが、獣たちにとって、秋はやさしい季節かもしれない。


 (2018年9月11日 山中湖にて)



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初鵙(はつもず) / 葉月(はづき)

2018/09/10 Mon

    初鵙の二三度啼いてそれつきり

        (はつもずの にさんどないてそれっきり)


    初鵙の何かを急かしをるやうに

        (はつもずの なにかをせかしおるように)


    葉月かな夜はけものの忍ぶ庵 /むく

        (はづきかな よるはけもののしのぶいお)



 楓(かえで) (2018.8.15 山中湖:山梨県)


* * * 初鵙 * * *

 昨日、今秋初めて鵙の声を聴いた。
 夏でも見かけたり声が聞こえたりすることはあるが、寓居の辺りは森林ばかりで田畑がないせいか、鵙が窓辺に飛んでくることは少ない。
 ともあれ、初鵙と思えば新鮮。
 ふと、もっと標高が高いところから下りてきたのではないか、という気がした。
 
* * * 葉月 * * *

 今日9月10日は旧暦の8月1日。
 いよいよ十五夜に向けてカウントダウンの始まりである。
 新月から満月になるまでのその間の月を「上り月」と言う。

   葉月なる堅縞あらし男富士 /富安風生

 「竪(縦)縞」は冠雪の条痕であろうか。
 富士山の初冠雪は年によってその時期がだいぶ違う。
 早ければ葉月のうちに見られよう。
 概して岳南より岳北のほうが早いようだ。

 今週は「御山洗(おやまあらい)」と呼ばれる秋の長雨で、富士山が鮮明に見える日そのものが少なそうだ。
 もっとも、仕事に追われていて出歩く余裕もないが。



 イカル(斑鳩) (2018.9.10 山中湖:山梨県)


 (2018年9月10日 山中湖にて)



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プロフィール

渡邊むく

Author:渡邊むく
産業技術英語通訳・翻訳者。男性。岩手県生まれ宮城県育ち。人生の大半は首都圏暮し。海外生活約10年。俳句歴:2000年より。主な発信地:神奈川県横須賀市、山梨県山中湖村。

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