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   Cinema Paradiso (2019/2/27)

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父が押し子が巻き上げる若布刈舟

ミモザ

2019/03/21 Thu


 ミモザ (2019.3.13 代々木公園:東京)



    花ミモザ巴里のみやげの砂糖菓子

        (はなみもざ ぱりのみやげのさとうがし)


    花みもざボンボニエールに収めたき

        (はなみもざ ぼんぼにえーるにおさめたき)


    花ミモザ亡き王妃へと捧ぐ杯 /むく

        (はなみもざ なきおうひへとささぐはい)


 (2019年3月21日 山中湖にて)



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テーマ : 詩・和歌(短歌・俳句・川柳)など
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鶯(うぐいす) / 花木五倍子(はなきぶし)

2019/03/20 Wed


 山中湖村村営温泉「紅富士の湯」からの富士山眺望 (2019.3.13 山中湖:山梨県)


 遊んでばかりいる山中湖暮し。
 と言っても特別なことをしている訳ではない。
 せいぜい、野鳥を観ながら散歩をしたり写真を撮ったりで、それにガンコちゃんは絵を描いたり、私は俳句を詠んだり。
 もっぱら怠惰な時間、無為なる日々を楽しんでいるのだが、時にはそんな生活が苦痛になることもある。



 山中湖村の雛祭は月遅れで4月に (2019.3.13 山中湖:山梨県)


 ある日、「浦島太郎になりそう」とガンコちゃん。
 「あなたは浦島太郎ではなく“お雛さま”です」と混ぜ返したが、彼女の気持はよく分かる。
 浮世離れし過ぎて“浦島ボケ”しそうだとは私もときどき思う。

 幼な児のようにひたすら無心に遊ぶという簡単そうなことが、大人にはむずかしい。
 (老人も、幼児返りしない限りはまだ大人なのだ。)

 老後すなわち老境を生きる心には段階があるように思う。
 日々自覚して暮らしていることではないが、私はいまその一つのステージから次のステージに向かっているところ。
 (何がどう変わってゆくステージなのかという説明は省く。)

 言い方を変えれば、私は死ぬまで発展途上人なのだ。
 発展途上のまま幼児返りしたら即身成仏したと思ってもらおうか。

 もっと諦めの良い人間になって往生際を良くしたいものだ。

 …くだらないことを書いた。
 きのうまで、1週間ほど横須賀の自宅に戻っていた。

 山中湖から篭坂峠を越えて御殿場に出ると、梅や菜の花が咲いていた。
 3月ももう中旬だから当たり前のことだが、まだ木の芽もろくに出ていない山中湖から突然出てみると、まるで別世界に迷い込んだようで、しばらくは言葉も出ず、ただ呆然となった。
 やっぱり浦島太郎だった。



 原宿駅前のコブシの花 (2019.3.13 原宿:東京)


 湘南には早咲きの河津桜が多いが、どこの河津桜もすでに見ごろを過ぎようとしていた。
 妣たちのそれぞれの墓にもお詣りしてきた。



 お色直しが進む国立代々木競技場 (2019.3.13 代々木:東京)


 3ヶ月ぶりに東京の吟行会にも参加した。

 東京にばかり富が集中する流れ、力づくでも変えるべきだろう。
 たとえば、東京都知事はもっとも貧しい県の県知事を兼ね、都とその県が予算をシェアすることを法制化するとか。

 東京都で使われる電力は、消費される米や野菜は、どこで作られているのかな?
 札束で貧しい者に言うことを聞かせるのがこの国の正義という時代のままでいいのだろうか?



 河津桜 (2019.3.13 参宮橋:東京)



    鶯のこゑ染みわたる小谷戸かな

        (うぐいすのこえしみわたる こやとかな)


    花きぶし俳句は五玉そろばんと /むく

        (はなきぶし はいくはごだまそろばんと)


 (2019年3月19日 山中湖にて)



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春めく

2019/03/11 Mon


 浅春 (2019.3.9 山中湖:山梨県)


 地元の人々も驚くほど、富士山も富士山北麓も降雪が少なかった今年の冬。
 山中湖からは見えないが、富士吉田のほうへ回ると富士山の山襞には農事の春を告げる雪形の「農鳥」(のうとり)が見える。
 今冬は例年にない暖冬で、その農鳥がだいぶ早く見えだしてほとんど隠れることがなかったようだ。
 富士吉田市はこの早すぎる農鳥の出現に困惑し、「農鳥宣言」の発表を長いこと保留していた。
 もう発表したのだろうか。
 鳥の鳴き声はすでに春になった。

 


 エナガ (2019.3.9 山中湖:山梨県)


 エナガ(柄長)も活発に飛びまわるようになった。
 毎日どこかでエナガの群を見かける。



 エナガ (2019.3.9 山中湖:山梨県)


 エナガの他には、シジュウカラ(四十雀)の囀(さえず)りも高らかになった。
 ホオジロ(頬白)の美声もよく目立つ。
 アオゲラ(青啄木鳥)かアカゲラ(赤啄木鳥)か、朝起きて窓を開けると高速のドラミングが小気味よく聞こえてくる。
 巣穴を彫っている音のように思えるが、確かではない。



 サルオガセ (2019.3.10 山中湖:山梨県)


 樹々がいっせいに芽吹くのはもう少し先のようだが、ぼつぼつ芽吹きだした木もある。
 山のヤナギ(柳)は銀鼠(ぎんねず)の芽を吹き出したし、カエデ(楓)の繊細な梢も血管のように赤らみはじめた。
 雑木の枝や落葉松の枝にふんわりとサルオガセ(猿尾枷)が生えているのも春らしい。
 マンサク(金縷梅)だろうか、福寿草が咲いている山荘の庭の小木に、今日は黄色い花の蕾が覘いていた。

 あたたかい湘南ではレンギョウ(連翹)なども咲きだしたらしい。
 いつも、山中湖と横須賀とでは一ヶ月ほど季節が違うように感じられる。
 そろそろ、いちど横須賀に帰らなくては。

 


 ホオジロ (2019.3.10 山中湖:山梨県)



    春めくや落葉松の枝に霧藻生ふ /むく

        (はるめくや からまつのえにきりもおう)


 (2019年3月11日 山中湖にて)



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公魚(わかさぎ)釣り

2019/03/10 Sun


 ワカサギ釣りの屋形舟 (2019.3.7 山中湖:山梨県)


 「紅富士の湯」の温泉から出てロッカー室で着替えをしていると、中年の男性が一人、通路に身を屈めて所持品をデイパックにしまっていた。
 低山登りの帰りの人だろうか。

 見ると、デイパックの上からアンテナのような棒状の金属が突き出しているので、何だろう…と怪訝に思って男性に訊ねてみた。
 「ラジオのアンテナですか?」
 「いえ、釣竿です。」
 「えっ、釣竿ですか?
 ずいぶん小さいんですね。」
 「公魚(わかさぎ)釣り用の釣竿です。」
 「湖岸で釣ってらしたんですか?」
 「いえ、舟です。
 湖岸は浅すぎて公魚は釣れません。」

 私は釣りが苦手で、海の町横須賀に二十年近く住んでいながら、まだ一度も釣竿を手にしたことがない。
 そんな釣り音痴の私だから、公魚の釣り方など知ろうはずがない。
 初めて耳にする話を、ただ感心しながら聞いた。

 それから数日後、甲府に観梅に行ってきた後の山中湖の句会で、「次は屋形舟で公魚釣りをしましょう」という話が持ち上がった。
 折角の企画ではあるが、自分で餌もつけることが出来ないのでは釣りを楽しむどころではない。
 「いやぁ、釣りは苦手で、舟にも弱くて」とお誘いを断るきっかけを探った。

 そこへ、ふと「紅富士の湯」で出会った釣帰りの中年男性の姿を思い出した。
 「あんな可愛いらしい竿に着けた糸をたらたらと湖に垂らすだけの釣りなら、出来ないこともあるまい」と思った。

 悪魔の誘惑とはこういうことを言うのだろう。
 つい口が滑った。
 「公魚釣り、いいですねぇ。
 家内も誘ってみます。
 餌をつけて欲しいので。」
 
 その日は未明から雨。
 普段よりだいぶ早い朝食を摂りながら、「中止にならないかな」とぼやく。
 「魚は水の中にいるんだから雨なんて関係ないわよ」と薄情なガンコちゃん。
 一緒に行こうと何度も誘ったのに、「舟に弱いからダメ」の一点張りでにべもない。
 苦手な餌つけを代わってしてくれることを当てにしていたのに、どうしてくれるんだ。

 船酔いしたときの用心のためにビニール袋も3枚持って、湖畔の舟着き場までガンコちゃんに車で送ってもらう。
 「一緒に舟に乗ろうよ」と未練がましくもう一度翻意を促したが、徒労に終わった。

 集まった句友は6人。
 舟にはすでに十人ほどの釣人が乗っていて、みな低い椅子に腰を下ろしていた。

 午前7時。
 富士山もまったく見えず、湖も空も混然となってけぶる雨の中を、何もかもが初めて尽くしの私を乗せて、舟が湖岸を離れた。

 * * * * *


 隣合わせたベテラン (2019.3.7 山中湖:山梨県)


 ポータブル魚群探知器まで装備のこだわり様。
 二刀流の使い手で、釣果は群を抜いていた。



 床板を開けると船底に湖水が覘く (2019.3.7 山中湖:山梨県)



 私の釣竿 (2019.3.7 山中湖:山梨県)


 針に公魚がかかると薄い金属板の竿の先端が引かれて撓む。
 釣っているあいだはその先端部に眼を凝らす。
 (写真を撮るために竿を台の上に置いたが、実際は竿を手に持って釣る。
 公魚は湖底のごく近くにいるので、錘が湖底に着くまで糸を下ろしてから少しだけ上げて止めておく。
 針の数は5本。
 針はそれぞれ水深が少しづつ違う位置についている。
 公魚は小さいので、手ごたえは全くない。
 リールなどを使わない昔の釣り方では手ごたえを感じることが出来たという。

 


 最初に釣れた一尾 (2019.3.7 山中湖:山梨県)


 一度に3尾釣れたこともあった。


 その夜の天ぷらになった釣果 (2019.3.7 山中湖:山梨県)


 Eさんのお奨めにしたがって、天ぷらは①水洗いした公魚に②小麦粉をまぶし、③薄く溶いたてんぷら粉をつけて揚げ、④レモンを絞って塩をつけていただいた。

 公魚釣り、楽しく貴重な体験をさせていただいた。
 先日の探梅といい、山中湖の句友のみなさんには新参者の私にいつもお気遣いをいただき、深く感謝している。

 山中湖の公魚釣りは1月頃に始まって5月頃まで続くが、3月の今が旬のようである。

      公魚釣る真白き富士をまなかひに /嶋木勝次郎


 (2019年3月10日 山中湖にて)



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2019/03/09 Sat

    句仇の湯仲間となる梅のあと /むく

        (くがたきのゆなかまとなる うめのあと)



 コゲラ (2019.2.23 山中湖:山梨県)


 坊ちゃん

 山中湖の寓居があるマンションの大浴場が平日で休みのときは、二つある村営の日帰り温泉の一つ「紅富士の湯」に通う。
 よい退屈しのぎであり、面倒というよりはむしろ楽しみにしている。
 冬期の週末限定ではあるが早朝も営業していて、屋内の湯からも露天の湯からも文字通りの紅富士を目交(まなか)いに出来る。

 先日、その露天の湯で髭を剃っている日本人らしきご同輩がいた。
 無神経極まりない。
 咄嗟に注意しかけたが、深く息を一つ吐いて思いとどまった。

 こういうことになると黙っていられない性分なので言葉を呑み込むのは死ぬほど辛いが、家の中でよろめいたはずみに折った肋骨が治っていないことを思い出したからである。
 注意してトラブルになり、着きかけた骨がまた剥がれたり重ねて骨を折ったりすればまるで漱石の「坊ちゃん」だが、いくら向こう見ずでも70歳の「坊ちゃん」もあるまい、と無理やり自分を説き伏せた。

 そのことを、あとで従業員の一人に報告した。
 その従業員には「日本人でしたか?」と訊ねられた。
 どう考えても海外からの旅行者には思えなかったので、「そのように見えました」と答えておいた。
 が、報告したからどうなるというものでもない。
 やっぱりその場で注意すればよかった…と、いまだに忸怩(じくじ)たる思いでいる。



 コゲラ (2019.2.23 山中湖:山梨県)


 (2019年3月9日 山中湖にて)



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エナガ(柄長)

2019/03/07 Thu


 エナガ (2019.2.27 山中湖:山梨県)


 愛くるしい限りの小さな鳥エナガ(柄長)は留鳥で、一年を通じて見ることが出来る。
 山中湖は標高約千メートルの寒いところだが、林のなかを飛びまわる元気なエナガの群を、冬のあいだもたびたび目にすることが出来た。
 これから陽気がよくなるにしたがい、シジュウカラ(四十雀)やヤマガラ(山雀)と一緒に、いわゆる「雀(から)の混群」となって、窓辺近くの樹の枝までやって来ることだろう。
 メジロ(眼白)やコゲラ(小啄木鳥)も一緒にやってきたりするだろう。



 エナガ (2019.2.27 山中湖:山梨県)


 エナガは他の野鳥に先駆けて巣作りを始めることで知られている。
 小さな鳥だから、蛇など天敵が少ないうちに子育てをするためだという。



 エナガ (2019.2.27 山中湖:山梨県)


 エナガが巣を造っているところを見たいと、このところ林の中を歩いては樹々を見上げている。
 雑木や落葉松の高い枝を首が疲れるほど見上げている。
 だが、エナガの巣も巣作りも一向に見つからない。
 ぜひ見つけて、やがて巣立った雛たちが枝にひとかたまりになって連なる、いわゆる「エナガだんご」を見たいと思っているのだが。

 エナガは夏の季語とされているが、春夏秋冬それぞれの季節の表情を観察して、それぞれの季節の詩を吟じてみたいものだ。


 (2019年3月7日 山中湖にて)



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シメ(鴲;蝋嘴鳥)

2019/03/05 Tue


 シメ♂ (2019.2.27 山中湖:山梨県)


 ずんぐりした体形に太い嘴、短い尾羽のシメ(鴲)。
 わけても目先が黒いその雄の顔は厳(いか)つく見える。
 雌の目先は黒くなく、羽色も全体に淡い。
 …が、雌の写真は撮り損なった。
 私の野鳥観察の詰めの甘いところである。
 以前に掲載した
雌のシメの写真をリンクしておく。

 上の写真のように、冬場のシメは地上に降りて落ちている木の実などの食物を探すことが多い。
 市街地の公園などで見られることもある。

 鴲の全長は18~19cmでヒバリ(雲雀)と同じぐらいだが、尾が短いので、尾の長さを除いた体長だけを比べるとヒバリより明らかに大きい。



 シメ♂ (2019.2.27 山中湖:山梨県)


 シメは、嘴の色が白っぽく蝋(ろう)のようであることから、ロウシチョウ(蝋嘴鳥)の異名がある。
 角川書店版の「俳句歳時記」には季語として収載されていないが、同じ角川書店版の「季寄せ」には秋の季語として収載されている。
 秋の季語とされている理由は、シメが晩秋の頃に北の大地から日本の本土各地に渡ってくる鳥だからだろう。
 シメはユーラシアの広い範囲で生息するそうだが、日本では春から夏にかけて北海道の林の中で繁殖し、寒くなると本州以南に渡って越冬するという冬鳥である。

 シメはそのペンチのような太い嘴で木の実などの果実を割って中の種子を食べる。
 他の鳥たちが好む果肉があっても、それは食べずに種子だけを割って食べることが知られている。
 ヒマワリの種は大好物らしい。
 晩春になると、シメの嘴の色は肉色から鉛色に変わる。

 シメの例句は少ない。
 どんどん詠んで、この個性的な野鳥の人気を高めてください。


 (2019年3月5日 山中湖にて)



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ホオジロ(頬白)

2019/03/04 Mon


 ホオジロ (2019.2.27 山中湖:山梨県)


 一筆啓上

 野鳥の種類の覚え方の一つとして、「聞きなし」によって鳴き声を覚える方法がある。
 「聞きなし」すなわち「聞き做(な)し」とは、鳥の鳴き声を人間の言葉に当てはめて覚えやすくした擬声語のことである。
 同じ擬声語である犬の鳴き声のワンワンや猫の鳴き声のニャンニャンも聞きなしには違いないが、そういう呼び方はあまり聞かない。
 聞きなしは、特に鳥の場合に使う言葉のようだ。

 鶯(うぐいす)の囀りの「ホーホケキョ」、烏の「カーカー」、雀の「チュンチュン」、鳩の「ポッポッ」、雉鳩(きじばと)の「デデッポッポー」、郭公(かっこう)の「カッコー」、雉(きじ)の「ケーン、ケーン」、梟(ふくろう)の「ゴロスケホーホー」などはもっともお馴染みの聞きなしと言えようか。

 『
聞きなし事典』という鳥の聞きなし一覧を掲載しているウェブサイトがあるのでリンクしておく。
 すぐにはピンと来ない聞きなしも少なくないが、野鳥観察の経験を積むにしたがって「なるほど」と合点がゆくものも多い。
 機会があるごとに一つまた一つと聞きなしを覚えてゆくのも、野鳥観察の楽しみの一つである。

 YouTubeの動画などを活用して鳥の鳴き声そのものを覚えるのは、手っ取り早い方法ではある。
 私もよくそうしている。
 しかし、鳥の鳴き方を口や文字で人に説明するには、やっぱり聞きなしに頼るほかないのではないだろうか。

 もっと若い頃から野鳥観察を趣味にしていたら、「一筆啓上仕り候」という頬白の聞きなしを英語で覚え込む努力もしていたかもしれない。

      頬白の水亭きらと渡りけり /古舘曹人

 

 (2019年3月4日 山中湖にて)



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マヒワ(真鶸)

2019/03/03 Sun


 マヒワ♂ (2019.2.23 山中湖:山梨県)


 探鳥に歩いていると、思わぬところに鳥がいて、心ならずも鳥を驚かせてしまうことがよくある。

 この日もそうで、落葉松林を通り抜ける小径に積もった落葉の上で何やら餌を食んでいた鳥の群が、近づく足音を察知したのか、それとも動く影に気付いたのか、いっせいに飛び散った。

 花鶏(あとり)か、頭高(かしらだか)か、河原鶸(かわらひわ)か、四十雀(しじゅうから)か。
 そう思って落葉松の梢に止まった鳥をカメラで覗いて、真鶸(まひわ)の群だったと知る。
 体全体が黄色い雄の真鶸、それより色の薄い雌の真鶸も見えた。

 あわててシャッターを押したが、雌の方はうまく撮れなかった。
 不意をくらってあわてたせいもあるが、どうしても色鮮やかで見栄えのする雄のほうに先にカメラを向けてしまうせいでもある。
 参考に、以前御殿場で撮った蕾みはじめた桜の枝に止まっていた
メスの真鶸の写真をリンクしておく。
 早朝で暗かったこともあるが、メスの真鶸の色はいたって地味である。

 真鶸は渡り鳥で、ユーラシア大陸北部で繁殖し、日本へは冬鳥として晩秋のころに渡ってくる。
 真鶸の全長は約12cmで、雀よりも、また河原鶸よりも小さい。

 歳時記によっては、同じ鶸の仲間でも河原鶸を春の季語、真鶸を秋の季語としている場合や、すべてを鶸と総称して秋の季語としている場合が見られる。
 季をいつにするかは別として、冬鳥である真鶸は留鳥の河原鶸とは分けて欲しい気もする。
 が、絶対ではない。
 作句する者は季語を上手に使って佳い句を詠めばいいだけのことである。
 それが難しいのだが。

 歳時記には鶸の異名として「金雀」(きんじゃく)も収載されているが、これは“gold-finch”の英名を持つ真鶸のことと解したい。
 「金翅雀」(ひわ)も同様である。

 鶸は文字通り「弱い鳥」で、鳥かごで飼ってもすぐに死んでしまうと言われている。
 無論、いまは飼うことが法律で禁止されている。

      砂丘よりかぶさつて来ぬ鶸のむれ /鈴木花蓑


 (2019年3月3日 山中湖にて)



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カワラヒワ(河原鶸)

2019/03/02 Sat


 カワラヒワ♂ (2019.2.23 山中湖:山梨県)


 カワラヒワの全長(嘴の先端から尾羽の先端までの長さ)は約14cm。
 シジュウカラとほぼ同じだが、尾羽の長いシジュウカラに対してカワラヒワの尾羽は短い。
 尾羽の先が魚の尾のような形をしているので、シルエットからカワラヒワだろうと察しがつくことも多い。

 嘴が太く厳(いか)つい顔をしているカワラヒワだが、鳴き声はかわいい。
 オスはメスよりも目の周りの黒さが目立ち、腹部のオリーブ色もより褐色がかっている。
 嘴と脚の色は、ネコの肉球のような肌色である。
 どちらかと言うと暗い印象が強いカワラヒワだが、翼を広げると羽の黄色い帯状の模様が蛇の目傘を開いたように鮮やかで美しい。



 カワラヒワ♀ (2019.2.22 山中湖:山梨県)


 カワラヒワは低地から低山まで広い範囲に生息している留鳥または漂鳥で、河原、農耕地、庭先、公園、山林など、ごく身近な場所で見られる。
 河原などで粟(あわ)や稗(ひえ)を啄(ついば)むことから河原鶸の名が付いたようだ。

 菜種(なたね)になった菜の花畑には、よくカワラヒワが菜種を啄みに群れ集まる。
 毎日目に見えて減ってゆきながら、さして日も経ずに食べ尽くされてしまった小さな菜種畑を見て驚いたこともある。
 体の大きなウソ(鷽)やシメ(鴲)も一緒に啄んではいたが、大半はカワラヒワの群が食べ尽くしたのだと思う。

 菜種もそうだが、カワラヒワは脂肪の多い種子が好きなのかもしれない。
 杉などの針葉樹の若い実も食べるようだ。
 新葉も食べるのかもしれない。
 山中湖では、春から夏にかけて、よく葉の生い茂った落葉松の梢にやって来る。

 カワラヒワは人が与えた餌も食べる。
 寓居のバルコニーにもやってきて、雑穀の粒餌を啄む。
 シジュウカラやヤマガラが好きな練り餌(バードケーキ)はほとんど食べない。
 不人気の粒餌を食べてくれるので、カワラヒワに対する好感度がアップした。
 代表的な野鳥の餌であるヒマワリの種も食べるかもしれないが、階下に殻を落として迷惑をかけるわけにはゆかないので、与えていない。



 カワラヒワ♂? (2019.2.27 山中湖:山梨県)


 冬になると餌が乏しくなるため、また積雪によって地上で採餌することが難しくなるため、寒冷地にいるカワラヒワの多くは暖かい地域に移動するという。
 春が進むにしたがって、また帰ってくるのだろう。



 カワラヒワ(右は♂) (2019.2.27 山中湖:山梨県)


 鳥の全長

 鳥の全長は「嘴の先端から尾羽の先端までの長さ(L)」とされるが、ふと「どうやって測定するんだろう?」という疑問が浮かんだ。

 図鑑にその全長(L)を示す図があった。
 それを言葉で表すと、「標本の鳥を定盤(じょうばん)上に仰向けに置いて、頭を定盤に着けて背筋を伸ばして測定したときの、その鳥の嘴の先端から尾羽の先端までの長さ」となるようだ。
 原始的な測定方法だが、確実かつ経済的な方法だとも言えようか。
 測定器具が進歩した昨今なら、生体の鳥を捕獲することなくそのまま測定することも、技術的には可能かもしれないが。

 鳥の大きさを表す用語として、「全長」のほかに「翼開長」というのもある。
 これは鳥が完全に翼を開いたときの二つの翼の先端間距離で、「翼幅」とも呼ばれる。

 鳥以外の動物の場合は、尾の長さを含めた「全長」で大きさを表すことはしないようだ。
 魚も同様である。
 鳥も含めて、生き物には成長などの可変要因があるので、同じ種であっても個々の大きさが同じでないのは無論のことである。

      紋の黄を晒して歩く河原鶸 /櫻井掬泉


 (2019年3月2日 山中湖にて)



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プロフィール

渡邊むく

Author:渡邊むく
産業技術英語通訳・翻訳者。男性。岩手県生まれ宮城県育ち。人生の大半は首都圏暮し。海外生活約10年。俳句歴:2000年より。主な発信地:神奈川県横須賀市、山梨県山中湖村。

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